北海道も沖縄も片道6,600円! 今度のJALセールはここが一味違うぞ【コラム】

日本航空(JAL)は、3月9日から14日まで、「JALスマイルキャンペーン」と題し、国内線全路線で一律片道6,600円とするセールなどを実施する(一部路線は片道6,600円未満)。

新生JAL国内線"初"のセール

今回のJALのセールは今までのセールや他社のセールと一味違う。

今年4月12日から運賃改定を実施することに関係し、いままでのセールはすべて4月11日までを対象としてきた。新運賃が適用される4月12日以降の搭乗(6月30日まで)を対象とするセールは初めてとなる。

いろいろと変更点があるが、その詳細は後述する。

全路線セールで狙いたい路線は?

行きたいところにいくのが良いというのが大前提になるが、セールをきっかけにどこかに行こうと考えている人におすすめの旅先を提案したい。

とにかく遠くへ行きたい派

せっかく飛行機に乗るならとにかく遠くに行きたいという人も多いだろう。東京/羽田・大阪/伊丹・大阪/関西発着なら、石垣が最も遠い目的地になる。同じ距離感の宮古もあわせ、遠くに行きたい人にはお勧めだ。

今回のセールでは一律片道6,600円となり、史上最安クラスの価格設定。便数はそこまで多くないため(1日1,2便程度)、セールの競争度合いが高そうなのがネックだ。

便数の多い路線で大都市旅行派

便数の多い、東京/羽田~札幌/千歳・大阪/伊丹・福岡・沖縄/那覇線や、各地から東京や大阪に向かう路線で旅行したいという人も多いだろう。

今回のセールでの設定座席こそ明らかになっていないものの、1日1便しかない路線に比べ、複数便、さらには10便以上ある路線のほうが、セール設定の座席数は多いのは確かだ。

セールで確実に安い値段でJALに乗りたい、という人は、運航便数の多い路線を狙ったほうが無難なのは間違いない。

JALしか飛んでいない路線狙い

いつもは全日本空輸(ANA)やスカイマークなど他社を利用している、という人は、JALのみ就航している路線を狙ってみるのはどうだろうか。

例えば東京/羽田・大阪/伊丹~三沢線は、JALのみの運航。羽田線は1日4往復で利用しやすいダイヤだ。青森県(三八上北)から岩手県北部にかけての旅行に最適だ。

東京/羽田・大阪/伊丹~出雲線もJALのみ就航している。出雲大社や宍道湖、美人の湯と称される山陰地方の温泉を巡るのもよいだろう。

東京/羽田・大阪/伊丹から奄美空港への直行便もJALのみの就航だ。比較的所要時間が長く、ドリンクサービスや機内エンターテインメント、Wi-Fiが恋しくなる路線だ(Wi-Fiは通常東京/羽田線のみ)。あまり値下がりすることも少ないため、ぜひセールで狙ってみてはいかがだろうか。

筆者がセールで狙うかも?穴場路線はこれだ

あまりセール対象になりにくい路線として、筆者が狙ってみようかと考えているのは、東京/羽田~名古屋/中部線。1日2便で、国際線との乗り継ぎ需要が旺盛のため、いままであまりセール対象となっていなかった。

今回のセール対象に含まれている上、2023年夏ダイヤでは一部便に国際線4クラス仕様のボーイング777-300ER型機が投入予定となっているため、距離は短いものの、このセールにおけるお得な路線といえるかもしれない。

また、東京/羽田~山形線もあまりセールなどで運賃が安価になることが少なく、セール運賃で購入できればこれからの時期過ごしやすい天候になる山形観光とセットに訪れてみたいと思っている。

一部路線では、より安価にセール運賃が設定される。例えば函館~奥尻線は片道4,400円。沖縄県内の宮古~石垣線などは片道5,500円となる。距離の短い路線も要チェックだ。

新セールだからこそ気を付けたい、意外な落とし穴

マイル積算率の変更

従前の「先得割引」などや、新運賃の「スペシャルセイバー」などと異なり、今回の「プロモーション」運賃のマイルの積算率は区間マイルの50%となる。また、ボーナスマイルが加算される「JALカード ツアープレミアム」も対象外となる。

なお、今回のセールでは普通席のみの設定だが、所定の追加料金を支払うことで、クラスJ・ファーストクラスへのアップグレードは可能。この際、マイル積算率は変化する。

ごく一部の対象外路線・便

今回のセールでは、東京/成田~名古屋/中部・大阪/伊丹線はセール対象外。また、東京/羽田~三沢・南紀白浜線など一部路線では対象外となる便があるため、注意が必要。

なお、最繁忙期の4月29・30日、5月3~7日もセール対象外となる。そのほかのゴールデンウィークの日程はセールの対象となるため、日程をずらして帰省や旅行に利用したいところだ。

新予約システムはアクセス集中に耐えられるか?

今回のセールは、運賃制度変更にあわせて導入された新しい予約システムにて行われる。現行の予約システムでは、アクセスが不安定になることはそこまでない印象だが、今回このセールが大きく話題になったことで、アクセスが集中することが懸念される。

ANAが実施した同様のセールでは、アクセスが非常に不安定になっていたこともあり、セール開始直後はアクセスがしづらくなる状況があり得るのではないだろうか。セールへの参加には根気強さが必要かもしれないので、身構えておきたい。

何はともあれ、今回のJALのセールは、ほぼ全路線・全便が対象となるセール。思わぬ掘り出し物もあるかもしれない。買うか買わないかはともかく、一見の価値はあるのではないだろうか。

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