<新型コロナ>埼玉が迎えた未経験の大転換、コロナの意味は 現在3クラスター確認、511人感染6人死亡

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は8日、新型コロナウイルスに感染していた6人が死亡し、新たに0~90歳以上の511人の感染を確認したと発表した。感染者の内訳は県管轄が350人、さいたま市97人、川口市20人、川越市31人、越谷市13人。1週間の感染者数の平均は429.0人。

 これまでに確認された感染者は179万187人。死者は3892人。7日夜時点の重症者は8人、入院は253人、宿泊療養は80人。

 県によると県管轄では60~90代の男女6人が死亡した。

 クラスター(感染者集団)関連は3件で、新たに感染が確認された施設はなかった。

 県教育局によると、県立学校の学級閉鎖はなかった。

■知事語る埼玉にとっての「コロナの意味」 県議会代表質問の一幕

【質問/西山淳次氏(公明、所沢市)】ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュの経済学者ムハンマド・ユヌス博士はコロナ禍について「経済という機械が停止したのはいいことだ。逆戻りさせてはいけない。今こそ新しい経済の仕組みを一から作り直すチャンスだ」と語った。さらに「今の文明は欲望で形作られ、このままでは私たちは滅んでしまう。そうなる前に次の文明を築かなければ」とも。コロナ禍を機に現代文明の在り方を転換すべきとの主張はきわめて重要。世界で686万人もが亡くなり、莫大(ばくだい)な経済損失が出た。コロナの意味は問い続けられなくてはならない。知事の率直な所見を。

【大野知事】示唆に富んだ所見を頂いた。ムハンマド・ユヌス博士が言う「今こそ新しい経済の仕組みを作り直すチャンス」を捉え、ポストコロナ元年を契機に、新たな社会の構築が重要。社会経済活動は正常を取り戻しつつあるが、コロナ前と全く同じに戻ることはない。本県はかつて経験したことのない人口減少・超少子高齢社会を迎えるなど、今、時代の大きな転換点にある。新型コロナ対応は現在も進行している。しかしながらコロナ禍が浮き彫りにした県の課題を捉え、それを克服するために新たな時代をつくる大きな転機を与えてくれたことが、埼玉県政にとってのコロナの意味と考える。

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