中国で有事動員組織の設立相次ぐ 地方政府、台湾圧力の一環か

中国の習近平国家主席(新華社=共同)

 【北京共同】中国の地方政府が、軍の指導下で有事に備えた国民動員を担う組織「国防動員弁公室」を相次いで設立している。習近平指導部の方針に沿った国防体制強化の動きで、台湾への圧力との見方も。国民からは台湾武力統一の「シグナル」ではないかとして徴用の対象となることを懸念する声も出ている。

 上海市によると、同市では2月中旬、国防動員弁公室の設立式が開かれた。出席した呉清副市長は、中国最大の経済都市である上海は軍事上の要衝でもあると強調し「国防動員を強化する責任は重大だ」と述べた。弁公室は有事の際に国民を動員するための下調べや計画の立案、指揮系統の明確化を担う。

中国上海市に設立された「上海市国防動員弁公室」の看板除幕式=2月(同室の「微信」公式アカウントから、共同)

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