ステルス2 フェアウェイウッドを筒康博が試打「意外にもプラスが合った」

1W以上の評判FW HS40m/s台のクラブフィッター評価は!?

1月初旬の発表から、ギア市場の話題をさらっているテーラーメイド「ステルス2」。革新性で脚光を浴びるドライバーとともに注目されているのが、同社の代表的テクノロジー「Vスチールソール」を搭載したフェアウェイウッド(以下FW)だ。正統進化を続けるFWの性能を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が、スタンダードモデル「ステルス2 FW」を評価した。

「性能はすでに完成形に近い!? ブラッシュアップ感は…」

全体的に左右に散らばっていたものの 全て許容範囲内に収まっていた

―率直な印象は?
「すごく直進性があり、左右だけでなく上下のミスヒットに強い部分は感じられ、性能の高さを十分に実感できました。ただ、同シリーズのドライバーのブラッシュアップさと比べ、前作からの進化をあまり感じることはできませんでした。素材やフィーリングで大きな変化を期待している方は、前作『ステルス FW』も視野に入れて購入を検討するべきだと思います」

クラウンの軽量化によって前作以上の低深重心化を図った新構造

―進化があまり感じられない…?
「もちろん同シリーズの『―プラス FW』のように、新たにソールに装着されたスライディングウエイトを採用するなど、単純に目に見える形での変化がなかったというだけではありません。これまでの『SIM』『SIM2』『ステルス』ですでに同社のFWとしての技術は完成されていて、それら過去モデルと比べて特別な印象を持てなかったということ。だからといって、決して評価が低いというわけではなく、もちろん性能の高さは折り紙つきです

前後に調整できる50gスライディングウエイトを搭載した「―プラス」

―「―プラス FW」の進化は大きい?
「そうですね。3機種の中で、一番前作との違いを感じました。重心が全体的に低めではあるのですが、それほど低過ぎない、絶妙な配置で施されている点は評価に値します。ちょうどボールの中心と一致するような適度な重心位置。しかも、スライディングウエイトによって、好みの位置に微調整できるメリットも心強いです。単に、チタンヘッドという限定モデルの特別感ではなく、多くのゴルファーが感じる優位性を感じることができました」

フェース上部に「レーザーアライメント」と呼ばれる帯状のラインが施されているが…

―気になるデメリットは?
「進化が乏しい点とつながる部分ですが、気になる点は2つあります。ひとつは、フェース面のカラーをドライバー同様、赤くしてほしかったという点。クラウンは黒一色で、しかもドライバーのように外枠の赤いリングがなく、ややシビアに感じる印象です。適材適所の設計を優先していると思うので、フェース素材までカーボンにする必要はありませんが、できれば赤い色味を採用し、投影面積を少しでも大きく見せる工夫が欲しかったです」

接地面積を最小限に抑え 抜けの良さを向上させる「Vスチールソール」

―気になるポイント、もう一点は?
「もうひとつは、打音です。前作シリーズと比べ、やや金属らしい音が薄れた印象を受けます。前作はスタンダードモデルも『―HD FW』も中高音の響きが大きいタイプで、音の響きとともに遠くへ飛ばせるイメージが湧くのですが、今作ではそこが少し抑えめな点が残念…。打音に大きく左右される打感のフィーリングまでも、やや鈍い印象を受けてしまいました」

「1Wが気に入ったからUT、アイアン、最後にFWを選ぶ順番がベスト」と筒

―どのような人向き?
「FWは、他のクラブに比べ、コースで使用する頻度が少ない分、チャレンジングなモデルより安心感を抱けるタイプを選ぶべきです。適度な振り心地と弾道の安定感を優先し、打感やフィーリングの好みを重視してほしい。平均的なHS(1Wで40~41m/s)の私が、スタンダードモデルではなく上級者モデルとされる『―プラス FW』が当てはまったように、先入観をなくして試してほしいと思います。ドライバーが気に入ったからといって、無条件に同じFWをそろえるのではなく、実際に目で見て耳で聞いたフィーリングを頼りに選んでみてください」

同シリーズ1Wの評価よりやや低調…【総合評価4.2点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:15度(3W)
・使用シャフト:TENSEI RED(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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