三笘薫(ブライトン)のゴールの余韻が半端ない。
3月4日のイングランド・プレミアリーグ第26節ウェストハム戦で後半24分に勝利を決定づけるチームの3点目。「まるでカタールW杯の時のように」ゴール前ギリギリのところで足を出し、チームの4―0での勝利に貢献した。
その瞬間、イギリスの実況アナウンサーは何と言っていたのか。そこには口からポロッと出てくるホンネがある。それは三笘を含めたチームのパスワークを絶賛するものだった。
「Absolutely brilliant(完全な輝き)」
そう表現された。
▼PK獲得のシーンでは「三笘が勝り…」
この日の三笘の見せ所はゴールシーンだけではなかった。
前半16分、ペナルティーエリア内で相手のファウルを誘う高速のドリブル突破でPKを得て、先制点に大きく貢献。アナウンサーは「スピードがどうしようもない」と口にした。
「ミトマ……しかし倒れてしまいます。ああPKです! (ウェストハムの)ボーウェンは身の潔白を主張しています。しかし、三笘のスピードのほうが勝り……レフリーはためらわずPKを宣告。ボーウェンは体を当てに行くしかありませんでした。そもそもポジショニングのミスですね。体を当てた結果……三笘は倒れてしまいました。ウェストハムにとってはとても悪いシーンです」
その後、PKを蹴ったチームメートは、カタールW杯で優勝したアルゼンチン代表メンバーのアレックス・マクアリスターだった。
「アレクシス・マクアリスターは今季プレミアリーグで3回のPKの機会をすべて成功させました。成功率100%を保てるか……決めた! W杯優勝を経験した彼がブライトンにリードをもたらしました。ズバッと決まるシュート。コーナー高めを突く自信にあふれたキックでした。“半分寝ていた”ウェストハムに対して1 - 0とリード。この試合、ウェストハムはまったく何もできていません!」
"半分寝ている"とは英語でいうと‘half-asleep’ 。実況アナウンサーが出来の悪いチームに厳しめの発言をするのは「さすが本場」というところか。
▼「輝き」「止まらない」…ポロッと口に
ブライトンは後半7分にジョエル・フェルトマンがゴールし、2 - 0。その17分後の後半24分、三笘のゴールが生まれる。
アナは再び絶叫した。
「フェルトマン。ファーガソンにパス。マーチ。グロスにパス。そして……三笘! Oh! 止められない! 完全なる輝き(Absolutely brilliant)! なんてパスワークだ! ソリー・マーチがその能力を発揮しています。ファーガソンのボールタッチも素晴らしい……シュートを打つかと思いきやパスを出すスペースを見ていました。これぞチームが生み出したゴール。今ここでブライトンが本当のチームであるということを見せつけています。いいプレーがマーチから始まり、素晴らしいボールがグロスから飛び出し……そして三笘がそこにいた。今季リーグ戦6ゴール目です」
ブライトンは現在リーグ8位。実況アナは絶好調のチームの強さを「組織力」とたたえる。パスワークを締めくくった三笘に対しては思わず「止まらない!」とも。
三笘の所属するブライトンのプレミアリーグ残り試合数は15。次節は3月11日24時(日本時間)に第27節リーズ戦(アウェー)に臨む。
【動画】現地アナによる実際の実況の様子はこちら