道路標識、10年以上も間違ったまま 左折できない場所に左折矢印 滋賀・大津

左端の車線について進行方向を示す矢印が誤っている標識。正しい内容を記した路面標示と異なっている(2月8日午後、大津市木下町)

 滋賀県警は8日、大津市内で誤った内容の道路標識を10年以上設置していたと発表した。4車線ある県道の車線ごとの進行方向を示す標識で、1車線について直進の矢印にすべきところを直進と左折にしていた。

 県警は先月にも右折を直進と誤表示した標識を同市内で設置し、撤去したばかり。2016年には、誤った標識を約3年放置し、87人に誤って反則切符を交付した問題が発覚している。

 県警交通規制課によると、今回誤りが判明した標識は、同市木下町の県道に12年8月ごろ設置された。左端の車線の進行方向を直進と左折としていたが、県公安委員会の決定内容は直進のみで、左折はできない。正しい内容を記した路面標示とも齟齬(そご)が生じていた。

 昨年11月中旬に同課の警察官が誤りに気付き、先月25日に誤った矢印の上に正しい矢印の板を貼り付けた。修正が約3カ月後になった点について、同課は「物理的に左折ができない箇所である上、標識の誤りに起因する事故や交通違反の取り締まりがなく、緊急性がないと判断した」と説明している。

 同様の標識は県内で381カ所あるといい、交通部長名で各署に緊急点検を指示した。同課は「適切な標識などの整備と管理を徹底していく」としている。

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