開校4月!埼玉2校目の「義務教育学校」誕生へ 小中教育を一体型施設で 25年までに3校設置の予定

開校4月!埼玉2校目の「義務教育学校」誕生へ=日高市

 埼玉県日高市で4月から、9年間にわたる小・中学校教育を一貫して行う施設一体型の「義務教育学校」が設置される。県内の義務教育学校としては、春日部市の江戸川小中学校に次いで2校目。市は2023年度の「武蔵台小中学校」(同市武蔵台)開校を皮切りに、25年までに3校を設置する予定で、少子化や施設の老朽化を背景とした学校教育再編の一環として、指導の質向上や活動の円滑化を図る。市では19年から市内全6地区に「学校運営協議会制度」を導入、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育による「開かれた学校」づくりを検討してきた。

 武蔵台小中学校は、現在の武蔵台小学校と武蔵台中学校を統合することで設置し、施設は現・武蔵台小学校を改修利用する。計画では、武蔵台と並んで児童生徒数の減少が顕著な高根、高麗地区にも、それぞれ地区内の小中学校施設を統合した「高根小中学校」(24年度開校)と「高麗小中学校」(25年度開校)が設置される予定だ。

 また、そのほかの地区についても、高麗川、高萩北地区には施設分離型の小中一貫教育校を、高萩地区には施設隣接型の小中一貫教育校をそれぞれ開校し、市内の全市立校で地区ごとに小学校と中学校が一貫した教育に取り組む。

 市では、計画に先駆けて19年から20年までに、保護者や地域住民で組織される「学校運営協議会」を各地区に設置するなどして、学校運営について家庭・地域と一体になって検討を進めてきた。その結果、小中一貫教育の導入によって▽「小中ギャップ」「中1ギャップ」の緩和や解消▽異学年交流による精神的発達や社会性の獲得▽教員の業務負担の軽減▽一貫した指導による学校生活の充実―などに期待できると判断した。

 市担当者は「小中一貫教育により運動会の一斉開催など、今までできなかったこともできるようになる。各小・中学校が培ってきた文化を尊重しながら、学校運営を進めていく」と話している。開校式は4月10日。

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