中国地方のトップレベルの工芸家が集う公募展「第66回日本伝統工芸中国展」（日本工芸会、同会中国支部、山陽新聞社主催）の審査が9日、岡山市北区天神町、県天神山文化プラザで行われ、七宝の橋詰峯子さん（74）＝鳥取市＝の「有線七宝蓋物『星月夜』」が特別賞の金重陶陽賞に選ばれるなど入賞、入選96点が決まった。
岡山、広島、鳥取、島根の4県から陶芸、染織、漆芸、木竹工など7部門に計143点の出品があった。
岐阜県現代陶芸美術館の石崎泰之館長が審査委員長を務め、姫路市立美術館の不動美里館長、人形の福岡県指定無形文化財保持者で日本工芸会人形部会の中村信喬会長、同支部の松田正己支部長、黒住宗晴顧問ら計16人が精査。石崎氏は「陶芸や染織など自分の作りたい形がはっきりしていて、今ある技術で迷いなく表現している作品に光るものを感じた。全体的にハイレベルだった」と講評した。
展覧会は岡山（5月24～29日、天満屋岡山店6階葦川（いせん）会館）、島根（6月21～26日、島根県立美術館）の2会場で開かれる。
橋詰さんを除く入賞者と作品は次の通り。（敬称略）
日本工芸会賞＝高橋香葉（松江市）「籃胎蒟醤小箱『叢』」▽日本工芸会中国支部長賞＝高山尚也（広島市）「乾漆鉢『暮色』」▽NHK広島放送局長賞＝近藤正彦（瀬戸内市）「備前扁壷」▽岡山県知事賞＝橋本和哉（備前市）「備前炭化緋襷花器」▽広島県知事賞＝山城直子（福山市）「型絵染着物『物語・秋』」▽鳥取県知事賞＝赤毛敏男（府中市）「備前花器」▽島根県知事賞＝松浦弘美（松江市）「ほら絽織菱絽生絹着物『湖水夕照』」▽岡山市長賞＝藤本路加（福山市）「練込組皿『雨音』」▽岡山県教育長賞＝沖本道子（広島市）「絞り染着物『冬めく』」▽山陽新聞社賞＝部谷きよみ（広島県熊野町）「木彫胡粉仕上げ『猫と私』」▽中国新聞社賞＝横山ゆきえ（岡山県矢掛町）「琉璃白磁鉢」▽RSK山陽放送賞＝重松次寿（津山市）「欅黒柿造手付重箱」▽岡山放送賞＝伊勢崎競（備前市）「備前楕円鉢」▽テレビせとうち賞＝今田拓志（広島県北広島町）「炭化彫紋文のある陶」▽新人賞＝曽根沙也佳（広島市）「染付草花文組皿（5枚）」
