岡山エリア運休 配線図確認怠る JR西、社内規定違反と公表

 JR西日本中国統括本部岡山指令所(岡山市)の運行管理システムが停電でダウンし、岡山エリア(岡山、広島県東部など)の在来線全11路線に大規模な運休や遅れが発生した昨年12月のトラブルで、同社は9日、配線をショートさせて停電を起こした社員2人が、社内規定に反して配線図の確認などを怠ったまま作業していたとの調査結果を公表した。

 同社によると、2人は運行管理システムの機材を更新する準備作業中、主電源に関係する配線を誤って停電させた。配線を扱う場合、配線図のチェックと作業計画書の作成を社内規定で義務づけているが、2人はいずれも行わずに着手しており、社内の聞き取りに「システムに影響がないと甘く考えていた」などと話したという。

 同社は、再発防止策として、システム更新時は事前に管理者が現行機器への影響を必ず検討することを決めた上で、「作業前に社内規定が順守されているかの確認を徹底する」としている。2人の処分については明らかにしていない。

 システムダウンは昨年12月19日午前9時45分ごろに発生し、指令所から駅の信号を制御できなくなる事態に陥った。全線で運転が再開するまでに約1時間45分かかり、山陽線を中心に10本以上が最大約40分にわたり線路上で立ち往生。特急を含む上下90本が運休、同147本が最大約2時間遅れ、約2万人に影響した。

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