歴史的建築の旧鎌倉図書館を改修 学童施設として27日オープン

旧鎌倉図書館を改修した「放課後かまくらっ子おなり新施設」=鎌倉市御成町

 1936(昭和11)年建築の旧鎌倉図書館(鎌倉市御成町)が、学童施設「放課後かまくらっ子おなり新施設」として27日にオープンする。市は老朽化などを理由に2014年に同館を閉鎖。一時は解体の危機にさらされたものの、市民らの要望を受け、保存・活用に方針を転換した。鎌倉の歴史のロマンに触れることのできる貴重な建物が、令和の世によみがえる。

 市役所に隣接する同館は、関東大震災で倒壊した町立図書館の再建築が財政的に難しい中、篤志家の寄付により建設された。縦長の上げ下げ窓が並ぶ洋館の壁面に瓦屋根を載せた和洋折衷のデザインとなっており、両切り妻に懸魚(げぎょ)の付いた破風板(はふいた)が設けられているのが特徴だ。これまで、所々改修を重ね大切に使われてきたという。

 耐震改修工事は18年3月に着工したが、内外装を剥がしてみたところ、想定以上に腐食が進んでいたことから工事を中断。市議会で議論を重ねた後、21年10月に新たな施工方法の下、工事請負契約を締結し、工事の再開に至った。当初は19年3月の完成予定だったが、この春、4年遅れでの完成にこぎ着けた。

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