野球選手の登場曲チェック!ハリウッドから沖縄、サザン、J-POP まで盛り沢山!  バッターでも、ピッチャーでも、このメロディが聴こえたらスタンドは大盛り上がり!

20年ほど前から広まった「選手のテーマソング」

選手が打席、マウンドに向かうときに流れる「選手テーマソング」は、日本のプロ野球では20年ほど前から広まり、今や球場観戦に欠かせない楽しみのひとつとなっている。

その昔選手名鑑に「カラオケの十八番」なんて欄が載っていた時期もあったが、選手の音楽の趣味というのはファンとしても気になるところ。「選手テーマソング」は、各選手の素顔を知るための貴重な情報源ともいえるのだ。

球春到来に加えて今年はWBCイヤーということもあり、例年以上の盛り上がりを見せる野球界。今回は栄えあるWBC日本代表選手を中心とした「選手テーマソング」のあれこれについて、Re:minderならではの視点で、読者に馴染み深い曲を紹介したいと思う。

大谷翔平(エンゼルス):The Greatest Show

映画『グレイテスト・ショーマン』テーマソング

やはり一発目に紹介するのは日本が誇る世界的スター・オオタニさんしかいない。ヒュー・ジャックマン主演で2017年に公開された映画は日本でも大ヒット。翔平の「翔」と「Show」をかけたシャレ心も感じさせつつ、前人未到の道をひた進む大谷自身のプレースタイルにもマッチする。全米を席巻する「ショータイム」にぴったりの選曲は、現地でもセンスのよさを絶賛されたそうだ。

ちなみに映画『グレイテスト・ショーマン』という題名は1952年公開の名画『「The Greatest Show on Earth」(邦題「地上最大のショウ」)から取ったそうだ。投打二刀流で世界を熱狂させる大谷の「地上最大のショウ」に、これからも目が離せない!

高橋奎二(ヤクルト):世界が終わるまでは… / WANDS

海外ヒップホップをテーマソングとする選手が多い中で、聴き馴染みのあるJ-POPが球場に流れると妙に安心するものだ。ヤクルトの技巧派サウスポーが選曲したのはWANDSの代表曲。アニメ『スラムダンク』のエンディングテーマとして広い世代から愛される名曲である。

高橋が生まれた1997年には漫画もアニメも完結していたので直撃世代ではないはずだが、それでも歌い継がれているのが『スラダン』の凄いところだ。

日本シリーズでプロ初完封を飾るなど、大舞台での強さをWBCでも発揮することを期待したい。

牧秀悟(DeNA):君が好きだと叫びたい / BAAD

こちらも『スラムダンク』初代オープニングテーマとしてお馴染みの一曲。神奈川県に本拠を置くチームの「顔」らしい選曲である。

第一打席では本曲を、第二打席では「世界が終わるまでは…」を使用。ファン感謝祭では苗字が同じ『スラダン』のキャラクター・牧紳一のコスプレ姿で「君が好きだと叫びたい」を熱唱したこともある。

入団3年目にしてジャパンの中核を担うひとりに成長した。止まることを知らない進化は、まさに “天才” 桜木花道のようでもある。

岡本和真(巨人):希望の轍 など / サザンオールスターズ

巨人が誇る若き4番打者は、一軍に定着した2018年から一貫してサザンのナンバーを流し続けている。それも有名どころだけではなく、昔のアルバム曲など通好みの選曲が光る。

昨シーズンはテーマソング5曲のうち4曲がサザン関連。桑田佳祐ソロ「炎の聖歌隊 [Choir]」という比較的新しい曲を選んでいることから、新譜を逐一チェックしている様子がうかがえる。

5年連続30ホーマー達成は巨人では王貞治、松井秀喜に次ぐ快挙。WBCでも “令和の若大将” が大暴れだ!

山川穂高(西武):オジー自慢のオリオンビール / BEGIN

沖縄が生んだ巨漢スラッガーのテーマソングは、同じく故郷を代表するアーティスト・BEGINの一曲。島の英雄である山川はオリオンビールのCMにも出演している。

2019年には沖縄セルラースタジアム那覇のソフトバンク戦で凱旋アーチを放ち、「野球人生で一番うれしい」と語ったことも。誰よりも沖縄を愛する男のテーマソングとして、これほどしっくり来る選曲もない。

WBCでも豪快なホームランを打ちまくり、代名詞でもある「どすこい」パフォーマンスと共に日本中が「あっり乾杯!」の歓声に包まれることだろう。

レジェンドOB達の印象深いテーマ曲 藤川球児(元阪神):every little thing every precious thing / LINDBERG

9回表の甲子園球場。リリーフカーに乗って登場する藤川と、それを出迎える約5万人の虎党。

LINDBERGの壮大なバラードに合わせ、大観衆がメガホンを左右にゆらす光景は、さながらライブのエンディングのようでもあった。

藤川の登板とはすなわちゲームセットを意味する。阪神ファンの誰しもが勝利を確信してジェット風船を膨らませ、敵ファンは諦めたように帰り支度を始めるーー。あの頃、甲子園ではこんな光景が毎晩のように見られた。

歴史に残る大守護神のテーマ曲は2008年に「球児の歌」と銘打って再リリース。リバイバルヒットを果たした。

立浪和義(元中日):翼の折れたエンジェル / 中村あゆみ

今や中日の監督を務める立浪が現役時代に選んだテーマ曲は、ツラいPL学園の寮生活時代に聴いていたという1985年の中村あゆみの代表曲だ。

球場で流れていたのはサビではなく、イントロからAメロにかけての部分。晩年には代打に回り、試合の最高潮でこの曲と共に「代打・立浪」のコールが響き渡ると、ナゴヤドームが大歓声に揺れていたのが懐かしい。

ただし2003〜2005年頃には「Mickey」(ビー・ウイッチド)など違う曲を使っていたのは、あまり知られていない。

清原和博(元巨人など):とんぼ / 長渕剛

プロ野球選手のテーマ曲といえば、この人を忘れるわけにはいかない。本来なら最後に所属した「元オリックス」と表記すべきだが、清原と「とんぼ」といえば「死にたいくらいに憧れた 花の都 “大東京”」巨人のイメージがやはり強烈だ。

まるで清原が歩んだ野球人生をそのまま描いたような歌詞は、当時の清原のやさぐれた雰囲気にあまりにも似合っていた。似合いすぎていた。

東京ドームの巨人応援団から響き渡る「♪おーおーおー」の大合唱は鳥肌が立つほどの威圧感があり、敵チームのファンとしては身震いしながら聞いていたものだ。

―― 登場テーマソングが持つ意味は選手それぞれで異なる。士気を上げるためにテンションの高い曲を選ぶ者、単純に「好きな曲」を選ぶ者、山川や清原のようにアイデンティティを音楽で表現する者もいる。

また最新のヒットソングから懐メロ、岡本のようにこだわりが垣間見える選曲まで幅広く楽しめるのも登場テーマソングの面白さだ。

さぁ、5年ぶりの開催となるWBCが華々しく幕を開ける。大谷、ダルビッシュ有、鈴木誠也といったメジャー組が本格参戦する今大会、侍ジャパンが目指すところは世界一あるのみだ。スターたちの競演に手に汗握りつつ、登場テーマソングにも注目していきたい。

カタリベ: 広瀬いくと

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