3400万円を私的流用か 琉球大医学科後援会の事務職員、保護者からの会費 会は刑事告訴を検討

 琉球大学医学部医学科の後援会の女性事務職員が、学生の支援などを目的に保護者らから集めた後援会費約3400万円を目的外に流用した疑いがあることが9日、関係者への取材で分かった。同後援会は今月、臨時総会を開催し、状況を会員らに説明した。横領などの疑いで刑事告訴を検討するという。
 同後援会は医学科の学生の保護者らでつくる任意団体。学生の教育振興や助成を目的に1982年に設立した。会員は約720人。毎年、入学時などに1年生の保護者らが9万円を支払って入会し、卒業時に退会となる。会費の一部は学生の国家試験対策やワクチン接種の補助などに使用するほか、関係印刷物などの費用に充てる。
 同後援会の臨時総会が2日に琉球大学構内で開かれ、後援会側が重要事案として会員らに流用を説明した。後援会事務所は同大医学部の構内にある。
 関係者によると、後援会側は女性事務職員による約3400万円の私的流用を確認したと説明した。女性職員は「毎月少しずつ返していきたい」と話し、私的流用を認めている。会費の積み立てなどに不明瞭な点が見られ、発覚したという。
 臨時総会では、女性職員の流用に関し具体的な説明を求める声のほか、これまでの会費の使途について疑問を投げかける声などが上がった。
 子どもが医学科に通う母親は「医学科で使用する参考書などは高く、学費の工面に苦労する人も多い。学生らを支援するための会費を職員自らが使い込むとは悪質で、腹立たしい。学生や保護者への裏切りだ」と強く非難した。
 後援会は13日にも報道関係者向けの文書を出すとしている。琉球大学の上原キャンパス事務部学務課は琉球新報の取材に、大学と後援会は別組織とし「(会費の私的流用に関し)答える立場にない」としている。
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