給食費、7市町が値上げ 食材費の大幅上昇に対応 新たに無償化は6自治体計画 22、23年度の熊本県内

 ウクライナ情勢や円安などによる物価高騰を受け2022、23年度に県内の7市町が小中学校の給食費で保護者負担を伴う値上げを実施、または予定していることが9日、熊本日日新聞の調べで分かった。「検討中」と答えた自治体もあり、さらに増える可能性がある。一方、6市町村が23年度からの無償化を計画している。

 各自治体は保護者から徴収する給食費で食材費を賄う。物価高騰により、調理現場のやりくりは厳しさを増している。

 22年度に値上げしたのは合志市、長洲町、氷川町の1市2町。23年度の値上げを予定するのは菊池市、御船町。菊池市は全5調理場のうち3調理場のみ値上げする。山鹿市と上天草市は22、23年度にかけて調理場ごとに引き上げる。いずれも食材費の大幅な上昇に対応した措置で、値上げ幅は1食当たり5~20円。

 国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充当して給食費を一時的に無償化、または物価高騰分を補助する自治体もある。22年度は菊池市、玉東町、合志市、氷川町などが活用した。

 23年度に無償化を予定するのは宇城市、和水町、芦北町、五木村、球磨村、相良村。いずれも子育て支援策と位置付ける。5町村は23年4月から、宇城市は夏休み明けの8月にスタートする考え。既に無償化しているのは玉東町、錦町、水上村、山江村の4町村。玉東町は22年度まではコロナ交付金を活用、23年度は町独自の予算で手当てする方針だ。

 据え置くのは26市町村で「保護者の負担増を避けたい」(熊本市)、「地元業者が食材を安く提供してくれるため」(高森町)などと説明。ただ、大半の自治体は「状況次第で値上げを検討する」としている。
(後藤幸樹、元村彩)

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