
【ワシントン共同】2月に東日本大震災の被災地を訪問した日系3世のマーク・タカノ米下院議員(62)=民主党=は9日、ワシントンで共同通信のインタビューに応じ「復興が難しく地域の人が苦しんでいるのを見て衝撃を受けた」と語った。想定を超える規模の津波が福島第1原発事故につながっており、原発の利用拡大には「極めて慎重になるべきだ」と警鐘を鳴らした。
タカノ氏は2月下旬に米議員団の一員として福島第1原発と震災遺構の請戸小学校(福島県浪江町)を視察した。「周辺地域の住民たちは『原発は安全だと聞いていたのに』と話していた」と振り返り、ひとたび事故が起きれば「いかに甚大な被害が出るかを示している」と語った。温室効果ガス削減の観点から「原発を完全には否定しない」と強調した上で、福島第1原発事故は津波によって引き起こされており「今の原発はあらゆるリスクを想定して設計できているのか」と疑問を呈した。
「科学技術先進国である日本でさえ事故が起きた」と述べ、技術力が低い国々に原発が普及することに懸念を表明した。