宗教団体の児童虐待、調査研究へ 厚労省、23年度実施

加藤勝信氏

 宗教2世への虐待問題で、加藤勝信厚生労働相は10日、宗教団体の児童虐待に関する調査研究を進める考えを衆院厚労委で明らかにした。「エホバの証人」が子どもに輸血をさせないよう信者を指導しているとされることについての質問に「輸血拒否の状況を含めた児童虐待の調査研究を進める」と述べた。2023年度に実施する予定。

 加藤氏は、保護者が子どもに必要な医療を受けさせないような事案では親権停止を請求する、といった児童相談所対応をまとめた12年の通知を改めて周知する考えも示した。エホバの証人の問題については「関係者から認識や実情について話を聞くことが必要だ」と話した。立憲民主党の早稲田夕季氏への答弁。

 厚労省によると、虐待の調査研究は、学者や民間会社に委託してアンケートを実施、分析するなどし、実態把握を図ることを検討している。

 厚労省は昨年12月、宗教2世らを児童虐待から保護するための留意点をQ&A形式の文書でまとめた。輸血など必要な医療行為を受けさせないことはネグレクト(育児放棄)に該当すると説明した。

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