事務職員の会費横領、1997年度から2022年度にかけ計3439万円 琉大医学科後援会「不正行為遺憾」

 琉球大学医学部医学科の後援会の女性事務職員が目的外に学生の保護者らから会費を流用していた件で、後援会は10日、少なくとも1997年度から2022年度にかけて、計約3439万円を事務職員が横領していたと明らかにした。同日、報道機関向けに文書で明示した。後援会は「不正行為が発覚したことは誠に遺憾。信頼を損なったことを深くおわび申し上げる」と文書でコメントした。今後、事務職員に返金を求めるとともに、刑事告訴し、民事で損害賠償請求するとしている。

 後援会によると、事務職員は1987年に採用され、約30年ひとりで事務業務を担っていた。事務職員は窓口で現金納付された会費などを銀行口座に入金せずに着服したほか、中期国債ファンドの売却金を着服していた。22年5月に横領が発覚したという。

 関係者によると、これまでにもずさんな会計処理を複数件、確認していた。インフルエンザワクチンを巡って、受け取り署名なしに窓口で補助金を学生に現金支給したほか、周知が行き届かず、補助金を受け取っていない学生も少なくなかったという。後援会の冊子を作成したが送付した形跡がみられないなど、会員からは運営に対する疑義の声が上がっていたという。

 会員は「別組織として大学側は関知しない姿勢をとっているが、学生らが関わっている。後援会ともに、問題を明らかにし、再発防止に取り組んでほしい」と提言する。

 後援会は現金の取り扱いや管理体制を改め、監査業務の明確化、事務体制を見直し、再発防止に努めるとしている。

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