5歳女児の反省文「胸が詰まった」 菅前首相、こども家庭庁に期待「虐待と性犯罪から守れ」 

講演でこども家庭庁へ期待することについて説明する菅前首相=東京都千代田区の学士会館

 菅義偉前首相(衆院神奈川2区)は11日、都内で開かれた児童虐待防止運動を進めるNPO法人「シンクキッズ」のシンポジウムで講演。自身の内閣で創設を決め新年度から始動するこども家庭庁を巡り、「子どもたちの命を守るために虐待を行政機関の縦割り打破で、性犯罪を法整備により防いでほしい」と期待した。

 菅氏は官房長官在任中の2018年に東京都目黒区で発覚した5歳女児虐待死を引き、「転居前の香川県などとの間で情報共有があれば防げたかもしれないと残念でならなかった。女の子がノートに残した『反省文』に胸が詰まった」と回顧。「緊急に関係閣僚会議を持つなどして児童相談所と警察との情報共有を進めたが虐待は根絶できていない。連携を担う専門組織が不可欠だと思った」と新庁の意義を説明した。

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