“最強”グアルディオラが愛用!STONE ISLANDとサッカーの熱い関係

Qolyではサッカー選手のファッションを度々紹介している。その移り変わりを見ると、ファッションには流行があることを思い知らされる。

2015年にサッカー選手に愛用されているブランドとしてジバンシィ(GIVENCHY)ら7つをあげた。

だが、そのジバンシィもデザイナーだったリカルド・ティッシが去って以降はあまり着用されているのを見られていない。2023年の今、愛用されているブランドはどこなのだろうか?

今回からは連載形式でお届けする。

ストーンアイランド(STONE ISLAND)とは?

パリコレでもスポーツテイストを取り入れたラグジュアリーファッションが提案されて以降、スポーティなアパレルがスポーツファッションの枠を超えて一般の層にも定着している。

今やNikeやadidasのスニーカー、より高級なノースフェイスのダウンなどは街で見かけない日はないだろう。

今回紹介するストーンアイランド(STONE ISLAND)はイタリア発のファッションブランド。1982年にブランドを創業し20年以上の歴史を誇る。

愛用者として知られるのはあのグアルディオラだ。

マンチェスター・シティがディースクエアード(DSQUARD2)と契約を結んだため現在はそのイメージが強いが、それまでは試合の記者会見でも左袖にはSTONE ISLANDブランドを示す「コンパス」のようなマークが入ることが多かった。

STONE ISLANDほかテック系全盛期の時代

現在はスポーツテイストの中でも「テック系」と呼ばれるブランドが隆盛を極めている。より機能性や新しい素材を追求したブランドたちだ。

筆者はAcronym(アクロニウム)というドイツのブランドから興味を持ったのだが、アクロニウムのデザイナーであるエロルソン・ヒューは元々Nikeのデザインラボ、そして今回取り上げているSTONE ISLANDとアクロニウムのコラボラインであるSTONE ISLAND Shadow Projectのデザイナーを務めていた。

ストーンアイランドの公式ホームページでも「インフォーマルウェアのブランドとして誕生して以来、Stone Islandは革新的なデザインを取り入れながら、繊維やテキスタイルにおける最高峰の研究を象徴する存在に」と記載がある。

実際、手に取ってみるとスポーティながらデザイン性があり、ポケットや機能性が計算されている。つまり、とても着やすい、使っていて便利、スポーティなのになんかキマるといいことずくめなのだ。

STONE ISLANDとサッカーの関わり

テック系ブランドの多くはサッカーというよりはアウトドア寄りだったり、よりテクノロジー重視だったりでサッカーと密接な関係にはない。

しかし、STONE ISLANDはカルチョの血がそうさせるのか、サッカーと近い距離を保ち続けている。いくつかの事例を紹介しよう。

モデナの買収

2021年にストーンアイランド の会長カルロ・リヴェッティがイタリア・セリエCのモデナFC.2018を買収した。

モデナはかつてセリエAにも在籍経験のあるクラブ。エルナン・クレスポが監督をしていたことでも知られている。

ストーンアイランドはエミリア=ロマーニャ州モデナ県ラヴァリーノで創業し、今でも本社がある。地元のクラブを買収したという形になる。

グアルディオラもルイス・エンリケも大好き

上述したようにグアルディオラのウェアはかつてSTONE ISLANDのものが多かった。

ところが、いつしか袖からブランドロゴを外していた。それはサッカー選手の間でも知られていることだった。

ブリストル・シティのエイデン・フリントという選手は、2018年、試合後にグアルディオラに何故STONE ISLANDのバッジを袖から外したのかと質問したという。

そして、自分のユニフォームとグアルディオラのSTONE ISLANDのジャケットを交換することを提案したが断られたそうだ。

それ以外にもルイス・エンリケも着用者のひとりだ。

バルセロナ指揮時には試合中にSTONE ISLANDのジャケットを着ていたことも少なくなかった。

ニューバランスとサッカーコレクションを発表

2022年には初となるフットボールコレクション(FOOTBALL COLLECTION)を発表。カモフラージュ柄のサッカーユニフォームなどを発売した。

2022年9月のSantan CupというイベントでラッパーのDaveらのチームが実際にチームユニフォームとして着用した。

それ以外にも2019年にアメリカのニューヨークで開催された「Chinatown Invitational」という大会でもSTONE ISLAND FC(ミラノチーム)のためユニフォームを手掛けたのはSTONE ISLANDだった。

このようにSTONE ISLAND はサッカー監督を皮切りにファンを獲得し、草の根の大会で支援を行い、今ではサッカーチームのオーナーも務めている。

こうしたテック系、スポーツ系のブランドは定番のデザイン、定番のシルエットが基本となっていて、ラグジュアリーブランドのようにトレンドに左右されにくいという点がある。

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これからも長い間サッカー界とかかわり続けていき存在感を増やしていくのではないか、と期待している。

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