13回忌、悲しみ越え 沖縄に避難「萩の会」 東日本大震災の犠牲者追悼

 在沖宮城県人会の「沖縄萩の会」の会員は11日午後2時46分、東日本大震災の発生時刻に合わせて黙とうをささげた。集まりは持たず、それぞれの場所で犠牲者を追悼し、故郷の復興を願った。

 震災発生後から、会員は沖縄に避難してくる宮城県民の支援に奔走した。避難者の中には着の身着のままで来県する人もおり、会員は空港へ迎えに行ったり、家財道具をかき集めたりして避難者を支えた。

 事務局長の有見二郎さん(68)と会員の田口純さん(72)は「避難者と一緒にやんばる旅行をしたり、ハーリー大会に出たりと、いろいろなことをやった。募金も集めたし、チャリティーコンサートもした」と、奔走した日々を思い返す。

 震災直後は大勢の避難者がいたものの、一人、また一人と帰郷し、現在はわずかしか残っていない。コロナ禍で集まる機会はなくなっているが、故郷を思う気持ちは変わらない。

 副会長の八柳久仁子さん(70)は「今年は13回忌。悲しむだけではなく前に進んでいってほしい」と願った。

 (稲福政俊)

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