声優アワード史上初のW受賞 主演声優賞&助演声優賞は種﨑敦美 主演声優賞&MVSに江口拓也 第17回声優アワード授賞式

当年度で最も活躍した声優を発表、表彰する「第17回声優アワード」の授賞式が行われた。今回からジェンダーフリーに鑑み、主演・助演・新人の3部門における男女別を統合し、主演男優賞と主演女優賞は主演声優賞、助演男優賞と助演女優賞は助演声優賞、新人男優賞と新人女優賞は新人声優賞に名称を変更している。主催より「声優という仕事は女性が男性キャラクターの声を担当したり、またその逆もありうる等、ジェンダーを飛躍した仕事である」とアナウンス。これにより、「声優の賞」ということに焦点が絞られ、また、賞の意図である『声優の認知』で拡がり、また声優の地位向上のためにもなる、ということで部門名称の変更に至った経緯がある。

華やかに開催した声優アワード、第一回から司会をしている長谷川太、「ようこそ、声優アワードへ」の呼びかけ。3年ぶりの授賞式。それから賞の名称変更の経緯を説明、始まった。

最初は声優新人賞から発表。梅田 修一朗、直田 姫奈、永瀬アンナ、日向 未南、若山 詩音が受賞。皆、感謝の言葉を。梅田は「今後の梅田への励ましの賞」と言い、直田は「デビューして10年、こんな素敵な賞を」、永瀬は「賞をいただいたことを忘れずに」、日向は「ものすごく、ものすごく嬉しい」、若山は「なんて素敵な賞をいただいたんだろう」とコメント。「みんな、キラッキラしている」と長谷川太。

歌唱賞は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。代表して大西亜玖璃と相良茉優が登壇。

大西はファンに向かって「応援してくださるあなたのおかげです…新たなときめきを叶えたいと思います」と挨拶。相良は「愛していただけて、ありがとうございます」と笑顔で。

シナジー賞は大ヒット作品『呪術廻戦』、劇場版は265億円の大ヒットを記録。

代表して榎木純也が登壇「第二期もスタートします」とまずはPR。「来年は新人賞を!」と想定外の決意表明で、会場から笑いが。

MCも「笑いを取っていただけました」とコメント。ここで一気に場が和んだ。

キッズファミリー賞は国際的人気を誇る『ポケットモンスター』、ピカチュウ役の大谷育江とサトシ役の松本梨香、艶やかな着物姿で登壇。大谷は「父の影響で毎週、毎日、映画やドラマを観て育ちました…どんなに励まされたことか、この場に立って身の引き締まる思い」と言い「夢の力に恩返しできるように」と力を込めた。映画やドラマからパワーをもらったことへの貢献の決意。そして「26年、同じ作品でバディを組んできた、このコンビの最高のクライマックスを、大きなご褒美をもらいました」と挨拶。

松本梨香は「子供たちが選んでくれた…毎年、神社でお祈りをします、『子供たちを笑顔にするためにぜひ、私を使ってください』と。26年、あっという間です。この業界で、皆さんに支えられ、今日を迎えられた。キッズファミリー賞の名を汚さないように精進して!笑顔、笑顔に繋げるように」と語った。

最後にサトシの声で「ファミリーキッズ賞、ゲットだぜ!」と締めくくった。

富山敬賞は諏訪部順一。「もうちょっとでデビュー30年、声優の環境も変わりました、活躍の場が広がった、よりグローバルになったように思います」と語る。

イベントに呼ばれることが多いそうで「声優の表現を愛してくださる…より一層、魅力を多くの世界に知っていただけるように」と言い「日本の声優の声の表現は世界一」と締めた。

高橋和枝賞は川村万梨阿。「今年でデビュー40周年、和枝さんとの思い出ですが、パンチのあるセリフに感服、憧れていました。こんなに嬉しいことはないです」と感無量の様子。

功労賞は秋元千賀子と屋良有作。

秋元は「子供の頃から児童劇団に入っていました。声優の仕事は50年以上、声優の仕事を楽しみたい」と語った。

屋良は「功労賞は尊敬している方々ばかり、実感がない。もうちょっと努力して皆さんに喜んでいただく、もうちょっと歩んでみたい」と穏やかな口調で。

それから、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰、スクリーンに次々と名声優の名前が映し出された。小林清志、近石真介、一部の声優陣の声が流れたが、会場はちょっとしんみりとした空気に包まれた。

特別賞は『やくならマグカップも』、岐阜県多治見市を舞台とする伝統工芸品の美濃焼をテーマとするフリーコミックが原作。プロデューサーの手塚健一が登壇、きっかけは多治見市出身の若手から、だそう。

「地元の方々と創り上げた作品、地元を盛り上げたいと作ってきました」と語る。

インフルエンサー賞は花江夏樹。「どうも、こんばんわー」と勢いよく。そして「多大なる発信力がある、超人気声優の花江夏樹…冗談です」と言い会場は笑いに包まれた。「仕事だったり、日常生活で感じた、楽しいな、愛おしいなというものをSNSで発信し続けてまいりました。ゲーム、猫、妻の手料理…おいしい、そして本当にかわいい2人の娘のことばかり発信、その結果、賞につながったのかな?」とコメント。

そして「自分で言うのもなんですが、飽きっぽい性格で、ここまで続けられたのは、ファンの声、リアクションもうれしい、楽しいことをモットーにしてきたからかな?ファン、一緒に遊んでくれる仲間に感謝を」と言い、
「最近は『鬼滅の刃』で世界中のファンの方々と交流する機会も増えました。日本のアニメーションは、こんなにすごいんだぞ!と世界に発信していきたい」と力を込めて語った。ちなみに8時45分に声優アワード受賞の喜びをツイッターで…5912件のRetweet、342件の引用ツイート、3.9万件のいいね、深夜11時05分、フォロワーは222.6万(驚)。

外国映画・ドラマ賞は貫地谷しほりと森川智之。「アストリッドとラファエル 文書係の事件簿」で受賞の貫地谷しほりは「すごく緊張しています、控室がすごくて…隣がトム様。こんなところにいていいのだろうか。アストリッドは自閉症という個性を持った役、どう演じようか悩んだ。この作品がいろいろな人に愛されるように頑張りたい」とコメント。

森川智之は「どうも、トム・クルーズです…(間があく)の声をやってます森川です」と挨拶、取材陣はドッと(笑)。

「36年前、横浜で『トップガン』を何回も観に…(映画館に)足繁く通いました。トム・クルーズやれる声優になりたいと…自転車に乗って1号線を走りました。その36年後にレッドカーペットを歩いた、人生の運を使い切ったかなと(笑)」と”夢は叶った”エピソードを。

助演声優賞は池田秀一、置鮎龍太郎、種﨑敦美。池田秀一は「思いがけない賞をいただき、驚いています。『ワンピース』という素敵な作品、シャンクスという素敵なキャラクターに感謝しています」とコメント。

麦わら帽子を渡した主人公モンキー・D・ルフィとシャンクスの娘の歌姫ウタに向け「わが盟友のルフィ、最愛の娘ウタのおかげだと思ってます。2人とも、どうもありがとう。こんな賞、もらっちゃったよ」と呼びかけた。

置鮎龍太郎は「33年ぐらい声優をやっていますが、いただけるとは思わなかったです。たくさんの作品に関わらせていただき、たくさんの方に助けていただきました。自分もたくさんの作品を助けていきたいです」とコメント。

種﨑敦美は流れた映像を観て自分自身の声を聞いて「キャラクターってすごいなって思いました」と語る。「(『SPY×FAMILY』の)アーニャのおかげで、たくさんのキャラクターのおかげで、これまで経験したことのない新しいお仕事にもたくさん挑戦させて頂き、新しい世界をたくさん見させて頂いた昨年でした。それも全部、作品のキャラクターのおかげだなって…いつも新しい世界を見せてくれるのも、したことをない経験させてくれるのも、知らなかった気持ちを教えてくれるのもキャラクターだなって。いままで演じてきたキャラクターたちがいまの声優・種﨑敦美を作ってくれているんだなとあらためて。いままで自分を作ってきてくれたもの全てに感謝、感謝を忘れずに」と語った。

MVS(Most Valuable Seiyu、ファンが選ぶ最も活躍した声優)には江口拓也。「投票していただいた皆様のおかげ」と感謝の言葉を。声優を目指すきっかけになったのはなんと、文化放送のラジオ。

「ラジオを通じて救われた自分がいた」と振り返る。アニメ、ゲーム、漫画が好きな江口拓也。「それから(声優に)興味を持ちました、ファンだった、好きだからやっている。ご縁があって作品がある、皆様のおかげでやりたいことができる」と嬉しそうに。

そしていよいよ主演声優賞。安済知佳、江口拓也、種﨑敦美。江口、種﨑はなんと2冠となる。

安済知佳は「何を話したらいいかわからない、作品も話題を呼んで…みんなで真摯に取り組んだ結果、代表で受け取る気持ちで」と語る。江口は「まさか、2回も!こうやって!思ってもみなかった」とコメント。そして話題作『SPY×FAMILY』のオーディションのエピソードを。「事務所でテープにとって送るのですが、マネージャーと一緒にセリフを読んで『どうかな』と作った。この作品は大好きで…マネージャーの熱い熱量、その結果、「(ロイド役が)受かったと聞いた時、僕よりも事務所が喜んでくれたことが一番うれしかったです」と語る。

「何者でもなかった自分を育ててくれたのは81プロデュース。普段、僕はただの酒飲みで、ただの人間を育ててくれて、皆さんに知っていただけるように育てていただき、感謝の気持ちでいっぱい。皆さんのおかげで、これからも声優をやっていけると確信しております」と感謝の言葉を。種﨑敦美は、トロフィーをもらう前から、もう涙、涙。「W受賞っていう仕組みがあったんだって…(泣)」感動のあまり、ほぼ喋れない状態に。「ダイの大冒険」のダイ役での受賞。「ダイくんを観たら…これもダイくんのおかげ。声優って本当に作品があってこそ、キャラクターがいてこそ」と語り、ダイのセリフを引き合いに出し「『おれが勇者だっていうなら、みんなが勇者だよ』っていうダイくんのセリフ、私が主演声優賞ならば、『ダイの大冒険』を作ったすべての皆様が賞を受賞したと思っています。『リコリス・リコイル』『SPY×FAMILY』を作ったスタッフ、キャストの皆様もみんな受賞。ダイ君、ありがとう。私の声を採ってくれた方、音響さん、アニメーターさんetc.ありがとうございます」と涙を溢れさせながら挨拶した。

最後に締めくくりとして主催側から。「今回の声優アワードはいろんな点で変えました。『時代を超えて、性別を超えて、世界を超えて』W受賞もありかなしか…改革、チャレンジです」と語る。そして今回の受賞、『リコリス・リコイル』や『SPY×FAMILY』、『呪術廻戦』のような新しい話題作、そして『ポケットモンスター』など、長寿な作品。

新しい作品は”新たなるキャラクターを作る(育てる)”、長寿作品は”長きにわたってキャラクターを育ててきた”、これが大きなポイント。ここ数年は日本のアニメが世界中で親しまれてきている。「素晴らしい作品を創り上げてください」と締めくくった。最後にMCが「声の力で世界に羽ばたく」と言い、授賞式は終了した。

<第16回声優アワード授賞式レポ>

<第15回声優アワード授賞式レポ>

[受賞者一覧]
主演声優賞:安済 知佳 江口 拓也 種﨑 敦美
助演声優賞:池田 秀一 置鮎 龍太郎 種﨑 敦美
新人声優賞:梅田 修一朗 直田 姫奈 永瀬 アンナ 日向 未南 若山 詩音
歌唱賞:虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
外国映画・ドラマ賞:貫地谷 しほり 森川 智之
シナジー賞:呪術廻戦
富山敬賞:諏訪部 順一
高橋和枝賞:川村 万梨阿
キッズファミリー賞:大谷 育江 松本 梨香
インフルエンサー賞:花江 夏樹
MVS:江口 拓也
功労賞:秋元 千賀子 屋良 有作
特別賞:やくならマグカップも

パーソナリティ賞:該当者なし、ゲーム賞:該当者なし
特別功労賞:今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。

主催:声優アワード実行委員会

公式サイト:https://www.seiyuawards.jp/

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