美咲の百々人形 魅力知って 地元児童、パンフや人形手作り

柵原東小児童が作った百々人形

 地元に伝わる土人形「百々(どうどう)人形」の魅力を発信しようと、柵原東小(岡山県美咲町行信)の6年生12人が活動している。制作体験に加え、手作りしたパンフレットや見本の人形を施設に置いてもらい、PRしている。

 百々人形はだるまや桃太郎のデザインが中心で、粘土で成形した人形を素焼きし、色付けして完成させる。1933(昭和8)年ごろ、京都で土人形作りを学んだ住民が考案したのが始まり。現在は地元住民の百々人形保存会(福井正代表)が制作を続けている。

 同小は毎年、6年生が地域の伝統を学ぶため人形制作を体験。2022年度は柵原地区外にも広めるため、昨年9月から授業の中で活動してきた。

 まずは多くの人の目に触れるよう、見本の人形を店舗に置いてもらう交渉を電話で実施。農産物直売所とカフェを備えた「ユニバーサルイエローパーク」(同町百々)や、JA晴れの国岡山柵原支店(同町周佐)など5カ所に2月末からだるまを飾った。併せて、保存会を取材して百々人形のパンフレットを100部作った。

 ブルーベリー農園の「美咲ブルーファーム寒竹」(同町藤田上)には、児童がデザインし、保存会が作った特製のブルーベリー形人形も展示している。

 同小で人形制作を指導した福井代表は「若い世代が積極的に関わってくれてうれしい。新鮮な発想で広めてほしい」と期待。男子(12)は「歴史や保存会の人の思いを学ぶうちに百々人形がもっと好きになった。一人でも多くの人に知ってもらえたら」と力を込めた。

福井代表(中央奥)の指導で、百々人形に色を付ける柵原東小6年生=2月21日

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