WBC、大谷が待望の初アーチ 看板直撃の先制3ラン

1回、先制3ランを放ち、ベンチに向かってアピールする大谷=東京ドーム

 12日の4試合目で大谷に待望のWBC初アーチが生まれた。変化球を豪快に振りきると、そのまま動かず、右中間に伸びる打球を目で追った。ぎっしりと埋まった観客席が大歓声に包まれる中、余韻を楽しむようにゆっくりダイヤモンドを一周した。

 一回、四球と安打による無死一、二塁の先制機だった。「しっかりと振り抜けて良かった」という打球は看板を直撃。過去3試合は序盤でもたついたチームを派手なアーチで乗せ、二回は勝負を避けられた。四回は押し出し四球で加点した。

 28歳の大谷は代表では中堅となる。日本ハムでプレーしたのは2017年が最後で、面識のない選手も増えた。憧れの視線を送られることが多くても、親しみやすさは変わらない。10日の韓国戦では不振の村上(ヤクルト)の両肩にそっと手を置き、翌11日のチェコ戦で初安打を放つとボールをプレゼント。村上によると記念球ではなく「ダミーだった」というのも愛嬌たっぷり。悩める後輩には、犠飛や進塁打でも「ナイス。そういうの大事だよ」と鼓舞した。

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