
日本天文学会は12日、2022年度の日本天文遺産に、日本の原子物理学の父と呼ばれる故仁科芳雄博士の研究室で開発された宇宙線検出器「仁科型電離箱」と、1937年に国内で最初に設置された「大阪市立電気科学館プラネタリウム」を選んだと発表した。
学会によると、電離箱は35年に設計や製作が始まり、翌36年に北海道の皆既日食で初めて観測に使われた。42年には、数時間にわたる宇宙線の異常増加を観測し、後に太陽フレアが起源だったことが判明した。5台作られたうちの2号機が、理化学研究所(埼玉県和光市)の仁科芳雄記念室に保存されている。
プラネタリウムは89年の閉館まで50年以上稼働した。
