サッカー界で大きな話題になるものの一つが移籍金。2010年代になってからはその額も1億ユーロを超えることも。
今回は「歴史的な大損となったスター選手の高額移籍金」を10名ピックアップして取り上げてみよう。
ガイスカ・メンディエタ
国籍:スペイン
移籍元:バレンシア
加入したチーム:ラツィオ
退団後の所属クラブ:ミドルズブラ
加入時の移籍金:4800万ユーロ(およそ69.57億円)
放出時の移籍金:なし
一時期バレンシアはヨーロッパで最高クラスのチームであった。ガイスカ・メンディエタは2年連続で欧州最高レベルの「ゴールが奪えるミッドフィルダー」として評価され、当時の世界6位となる移籍金でラツィオへと加入した。
しかし当時世界最高リーグであったセリエAではゴールもアシストも奪えず、20試合に出場したのみ。バルセロナへのローンを経て3年後にミドルズブラへとフリーで移籍している。
アンドリー・シェフチェンコ
国籍:ウクライナ
移籍元:ミラン
加入したチーム:チェルシー
退団後の所属クラブ:ディナモ・キエフ
加入時の移籍金:4400万ユーロ(およそ63.77億円)
放出時の移籍金:なし
ディナモ・キエフで世界的なストライカーに成長し、ACミランでは欧州で最も偉大な点取り屋として評価されるようになったシェフチェンコ。ロシアの富豪アブラモヴィッチの誘いでチェルシーへと移籍し、新しいチャレンジに臨んだ。
しかしベテランとなっていた彼はイングランドに馴染めず、2シーズンで22ゴールと期待ほど活躍できず。のちにミランへとローンで貸し出され、そのままフリーで古巣ディナモ・キエフへと戻っていった。
カカ
国籍:ブラジル
移籍元:ミラン
加入したチーム:レアル・マドリー
退団後の所属クラブ:ミラン
加入時の移籍金:6700万ユーロ(およそ97.1億円)
放出時の移籍金:なし
世界的なアタッカーを大きな額で獲得するレアル・マドリー。ハメス・ロドリゲスなどの失敗例の中で、最も無駄遣いだったと言われるのはブラジル代表MFのカカだ。ミランで大活躍した彼を2009年に6700万ユーロで買っている。
しかしながらスペインでは突如度重なる怪我に見舞われてしまい、出場しても往年のパフォーマンスは見せられず。実りのない期間を過ごした後、ミランへと復帰していった。
フィリペ・コウチーニョ
国籍:ブラジル
移籍元:リヴァプール
加入したチーム:バルセロナ
退団後の所属クラブ:アストン・ヴィラ
加入時の移籍金:1億3500万ユーロ(およそ195.66億円)
放出時の移籍金:2000万ユーロ(およそ28.99億円)
ネイマールを失ったバルセロナ。その2億ユーロ以上の収益を使い、後釜候補の選手を獲得してきた。その一人がリヴァプールで活躍していたコウチーニョで、1億ユーロ以上の資金を費やした。
しかしスペインではうまくポジションに合致せず、バルセロナへの適応に失敗。バイエルン・ミュンヘンへのローン移籍で大復活してCLではバルセロナを敗退させるゴールを決めたが、呼び戻されてからは怪我で離脱。サッカー史上3位の移籍金ほどのプレーは見せられなかった。
フェルナンド・トーレス
国籍:スペイン
移籍元:リヴァプール
加入したチーム:チェルシー
退団後の所属クラブ:ミラン
加入時の移籍金:5850万ユーロ(およそ84.78億円)
放出時の移籍金:100万ユーロ(およそ1.45億円)
アトレティコ・マドリーの王子と呼ばれたトーレス。リーガで大活躍したリアルストライカーはリヴァプール加入後もゴールを量産し、プレミアリーグ屈指の点取り屋として評価された。
しかし2011年の冬に5850万ユーロもの移籍金でチェルシーに加入してからは、肥大化した期待に応えられず。172試合に44ゴールというのは悪い成績ではなく、クラブもタイトルに恵まれながら、世界最高クラスの失敗だったと言われることに。
アンディ・キャロル
国籍:イングランド
移籍元:ニューカッスル
加入したチーム:リヴァプール
退団後の所属クラブ:ウェストハム
加入時の移籍金:4100万ユーロ(およそ59.42億円)
放出時の移籍金:1750万ユーロ(およそ25.36億円)
ルイス・スアレスとともに獲得されたアンディ・キャロル。2011年に4100万ユーロもの移籍金が支払われたものの、リヴァプールでは怪我に悩まされて出場機会も少なく、44試合で6ゴールという寂しい成績となった。
この加入でイングランド人としては当時最高額の男となったものの、プレミアリーグの歴史上でも最もコストがかかった失敗の一つになってしまった。
アントワーヌ・グリーズマン
国籍:フランス
移籍元:アトレティコ・マドリー
加入したチーム:バルセロナ
退団後の所属クラブ:アトレティコ・マドリー
加入時の移籍金:1億2000万ユーロ(およそ173.92億円)
放出時の移籍金:2000万ユーロ(およそ28.99億円)
レアル・ソシエダで育ったフランス人選手として珍しい存在感を放ったグリーズマン。2014年にアトレティコ・マドリーへ3000万ユーロで移籍し、そこでの活躍で一気に世界的選手となった。
バルセロナには2019年の夏に加入し、移籍金はなんと1億2000万ユーロに。そこそこ結果は残したものの、どうもクラブのシステムに合致しない日々が続き、結局2021年に古巣へ2年1000万ユーロのローン、2000万ユーロの買い取り義務という条件で送り返されることに。
ジャクソン・マルティネス
国籍:コロンビア
移籍元:アトレティコ・マドリー
加入したチーム:広州恒大
退団後の所属クラブ:引退
加入時の移籍金:4200万ユーロ(およそ60.87億円)
放出時の移籍金:なし
FCポルトで多くのゴールを決め、ラダメル・ファルカオの後釜として高く評価されたジャクソン・マルティネス。同じようにアトレティコ・マドリーへと引き抜かれていったが、怪我とシメオネ監督との不和もあってほとんどプレーすらままならないまま、半年で中国へと売られた。
移籍した広州恒大でも全く活躍できなかったため、その後ポルティモネンセにローン移籍を繰り返し、2020年に現役引退。サッカー選手の傍らラッパーとしても活動していた。
ズラタン・イブラヒモヴィッチ
国籍:スウェーデン
移籍元:インテル
加入したチーム:バルセロナ
退団後の所属クラブ:ミラン
加入時の移籍金:4600万ユーロ(およそ66.67億円)
放出時の移籍金:2400万ユーロ(およそ34.78億円)
サミュエル・エトー+4600万ユーロというとてつもない条件でインテルから獲得されたズラタン・イブラヒモヴィッチであるが、バルセロナではジョゼップ・グアルディオラ監督と馴染めず。結果は16ゴールと出ているにもかかわらず、非常に批判される存在となった。
リオネル・メッシが優先されるチーム事情の中で居場所を失い、彼は1年でミランへと移籍することに。
フェルナンド・レドンド
国籍:アルゼンチン
移籍元:レアル・マドリー
加入したチーム:ミラン
退団後の所属クラブ:引退
加入時の移籍金:1500万ユーロ(およそ21.74億円)
放出時の移籍金:なし
1990年代後半、フェルナンド・レドンドは「貴公子」と呼ばれた世界最高のプレーメーカーだった。守備の弱さを差し引いても、その圧倒的なアイデアとスキルはファンを魅了し、エレガントに敵を刺していた。
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ミランは彼を獲得するために1500万ユーロを投じたものの、イタリアでのトレーニングでいきなり怪我を負ってしまい、数年間をほぼ棒に振ることに…。レドンド自身も「給与はさすがにもらえない」と辞退することになり、両者ともにlose-loseの移籍になった。