破綻米銀の預金者、完全保護へ 信用不安の拡大阻止狙い声明

米シリコンバレー銀行の支店前に立つ警察官=12日、ニューヨーク(ロイター=共同)

 【ニューヨーク、ワシントン共同】米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)は12日、米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を巡り「全ての預金者を完全に保護する」との共同声明を出した。FRBが金融機関の資金繰りを助ける新たな仕組みをつくる。

 金融機関への信用不安が拡大する恐れがある中、早期に預金者保護策を打ち出し、破綻の連鎖を防ぐ必要があると判断した。バイデン米大統領は同日、「再びこのような状況に陥らないよう、大規模な銀行に対する監視と規制を強化する」などとする声明を出した。

 一方、米ニューヨーク州の金融当局は12日、同州に拠点を置くシグニチャー・バンクを同日付で閉鎖したと発表した。資産規模は全米29位。SVBに続く経営破綻で、信用不安から預金流出が加速したとみられる。預金は全額保護される。

 共同声明によると、新たな資金繰り支援策は、金融機関を対象に米国債などを担保として最長1年の融資を提供する。政府の既存基金から最大250億ドルを拠出できるようにする。

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