「バイト先まで車で10分」と言ったら大阪の人は「遠い」って…福井の人と距離感が全然違った件【福井県立大学生コラム】

「バイト先まで車で10分」と言ったら大阪の人は「遠い」って…福井の人と距離感が全然違った件

 私の祖母や従兄弟は大阪府に住んでいる。そこでよく感じることが距離感の違いである。例えば、私の家に来た祖母と従兄弟に「バイト先ってどこ?」と聞かれたので「車で10分くらい。」と答えると「あ?、やっぱり福井は遠いなあ。」と言われたことがある。私は、「え、10分で?」と思った。そのバイト先を選んだ理由には、家から近いからと言う理由もあったので尚更驚いた。しかし、祖母や従兄弟は「車で」という言葉に引っかかったらしい。

 福井県の1世帯あたりの自家用乗用車の保有率は全国1位であり、大阪府は47都道府県中46位である。この数字が表しているように、車がなくても大阪では生活ができるのだ。実際に、私の80代の祖母は車がなくても何不自由なく暮らしている。また、私の従兄弟の家族は車を1台保有しているが、自転車に乗っている時間の方が多い。

 逆に、福井県出身のバイト先の店長に「大学までどれくらいかかるの?」と聞かれたことがある。「2、30分です。」と答えたら「え、30分で行けるんだ。」と言われた。私はこの「車で30分」という距離を遠い方だと感じていたのでここでも意外な答えが返ってきた。10年以上福井に住んでいるが、どうやら私はまだ真の福井県民ではないらしい。

 私は就職を県内でするか県外でするか迷っているが、この選択は私のこれからの「距離感」に大きな影響を与えるだろう。(常川史花)

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 ゆるパブコラムの「編集長」を務める若新雄純さんが福井県立大学で行った講義「福井の文化と社会」で、受講した大学生たちがコラム執筆に取り組みました。今回のコラムは、その中から厳選した作品を掲載しています。

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