先発6番手の座を狙うエンゼルス・キャニング オープン戦で好投中

今季のエンゼルスは先発ローテーションを中5日で回していく方針のため、大谷翔平、タイラー・アンダーソン、パトリック・サンドバル、リード・デトマーズ、ホセ・スアレスの5人に次ぐ6番手は谷間の先発とロングリリーフを兼任する「スイングマン」となることが予想されている。そのスイングマンの座を狙っているのがグリフィン・キャニングだ。背中の故障で2021年7月を最後にメジャーの舞台から遠ざかっているキャニングだが、オープン戦では健康をアピール。2度の先発で5イニングを投げ、防御率1.80と好投を見せている。

現在26歳のキャニングは「正直に言って、健康にプレーすることができているだけだよ。(過去2年間は)背中の故障に苦しまされたけれど、今は健康なんだ」と自身のコンディションに手応えを感じている。メジャー2年目の2020年は先発ローテーションに定着し、惜しくも規定投球回には届かなかったものの、防御率3.99を記録。ゴールドグラブ賞も受賞した。しかし、2021年は背中の故障で8月にシーズン終了となり、昨季は腰の疲労骨折で全休。今季は2年ぶりのメジャー復帰を目指すシーズンとなる。

2021年の速球の平均球速は93.5マイルだったが、今年のオープン戦ではコンスタントに95マイルを計測。平均球速が上昇していることからも状態のよさがうかがえる。スライダー、チェンジアップ、カーブといった変化球も安定しており、キャニング自身も日本時間3月13日に2度目のオープン戦の登板を終えたあと、「スライダーは前回の登板よりよかったし、空振りを取ることもできた。カーブもよかった。チェンジアップは本塁打を打たれたけれど、少し高く浮いてしまっただけだ。速球もいい感じだし、狙ったところに投げられた」と振り返った。

スイングマンの座を争っているタッカー・デービッドソンはマイナーオプションが切れているため、優先的に開幕ロースターに入る可能性が高い。よって、キャニングはチェイス・シルセスやクリス・ロドリゲスとともにマイナーAAA級で開幕を迎えることになりそうだが、健康を保ち、安定した投球を続けていれば、必ずメジャー昇格のチャンスは訪れるはずだ。今季は2年ぶりにメジャーのマウンドに立つキャニングの姿を見ることができるだろう。

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