作家・大江健三郎さん死去 88歳 老衰 1994年にノーベル文学賞受賞

1994年にノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎さんが、3月3日未明に老衰のため死去していたことが13日、分かった。88歳。出版社の講談社が公式サイトで発表した。葬儀は家族葬で執り行われたとし、後日、お別れの会を開く予定であることも明らかにした。

大江さんは、1935年1月31日、愛媛県喜多郡大瀬村(現・内子町大瀬)生まれ。東京大学在学中の1957年、「奇妙な仕事」が東大の第二回五月祭賞を受賞して文壇の注目を浴び、1958年には小説「飼育」で当時の史上最年少となる23歳の若さで芥川賞を受賞した。

さらに数々の文学賞を受賞し、1994年には川端康成氏に次いで日本人として2人目となるノーベル文学賞を受賞。ストックホルムで行われた受賞講演では、川端氏の「美しい日本の私」にちなんだ「あいまいな日本の私」という講演を行い、話題となった。

その後も2013年の「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」に至るまで精力的な創作活動を続け、その集大成が「大江健三郎全小説」としてまとめられた。また「ヒロシマ・ノート」(1965年)、「沖縄ノート」(1970年)など、社会問題に切り込んだのルポルタージュでも注目を集めた。

(よろず~ニュース編集部)

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