「生活を変え、ごみ減らそう」 笹ケ瀬川一斉清掃参加の海野氏

日本財団の海野光行常務理事

 岡山市で12日に行われた一斉清掃「海ごみストップ! 笹ケ瀬川クリーンアクト」。岡山、広島、香川、愛媛の4県とともに海ごみ削減を目指す「瀬戸内オーシャンズX推進協議会」をつくる日本財団から海野光行常務理事が参加。地域住民と活動に汗を流し「暮らしに密着したごみの多さをあらためて実感した。生活の在り方を変え、ごみを減らす必要がある」と訴えた。

 ―笹ケ瀬川の現状をどう見たか。

 海洋ごみの8割は陸地から川などを通じて海へ流れ込んでいる。今回、一番多かったのはペットボトル。私も10分でごみ袋が一つ満杯になった。次はあめなどの包装。一つ一つは小さく、つい捨ててしまいがちだが、集まるとかなりの量になる。ポイ捨てをなくし、捨て方にも気を付ければごみは減らせる。

 ―他の課題は。

 岸辺の土に埋もれたごみが多い。私たちは「隠れごみ」と呼んでおり、川の底にもかなり沈んでいる。大雨になると水が土を削り、隠れごみも一緒に瀬戸内海へ流れ込む。笹ケ瀬川は流れが緩く、川べりにごみがたまりやすい。特徴を踏まえた調査、対策立案の必要性も感じた。

 ―沿川連携の意義は。

 広い地域で多くの人が手をつなぐことでかなりのインパクトになった。小中高生も多く参加した。若者が海や川のごみを自分ごととしてとらえる機会になった。

 ―成果をどう生かしていくべきか。

 規模は小さくてもごみ拾いを継続する努力が求められる。行政も効率的なごみ回収方法を把握できたのではないか。笹ケ瀬川から瀬戸内海へごみを流れ込ませない仕組みを考えていくことが大切だ。

 うんの・みつゆき 1990年に日本船舶振興会(現・日本財団)入り。2011年から現職。海洋部門を統括し、「海と日本プロジェクト」などを展開している。55歳。

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