パラダイム MAX FAST ドライバーを西川みさとが試打「バランス◎だけど…」

革新的シリーズ最軽量モデル HS30m/s台の女子プロ評価は!?

革新的な360度カーボンシャーシの採用で、これまでのクラブの価値観を大きく変えるキャロウェイ「パラダイム」シリーズ。中でも今回は、ドローバイアス&高打ち出しが特徴の「パラダイム MAX FAST ドライバー」をピックアップ。最軽量による振りやすさと楽に飛ばせる性能を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「計算された軽量ヘッド×軽量シャフト」

やや右に打ち出し気味だが 弾道は程よく高く上がっている(打ち出し角:平均14.4度)

―率直な印象は?
「クラブ全体の軽さのおかげで(総重量:280g ※硬さS)、とても爽快に振り切れ、扱いやすさを十分に堪能できます。純正シャフト(SPEEDER NX 40)は軽量仕様(硬さSで50g、SRで48g、Rで46g)で、ヘッドにマッチしたバランスの良さが魅力といえます。2021年発売『エピック MAX FAST ドライバー』、22年発売『ローグ ST MAX FAST ドライバー』と変わらず、全体的な完成度はとても高い印象です」

同シリーズ4機種の中で唯一のアジア限定モデル

―前作と変わらず…?
「はい。同社の『―MAX FAST』モデルは、純正シャフトも含めた全体のバランスがとても計算されており、すごく振り心地がスッキリ感じられ、HSが自然と上がる印象を受けます。もちろん弾道の上げやすさが備わっているので、ボールは高く上がるのですが、打ち出しから勢いよく出る“飛び姿”の美しさも、他モデルにはないメリットに挙げられます」

ヘッド後部には5gのウエイトを搭載し 高い打ち出し角を実現する

―逆に気になるデメリットは?
「十分に振りやすさを感じるのですが、そこが逆に物足りなさを感じる部分かもしれません。というのも、ボールが上に上がる要素が強く、前に押し出す要素が弱めな気がして、振り心地のわりに飛距離が出ていない(総距離:平均207.9yd)。イメージよりバックスピンが少なく(平均1682rpm)キャリーが出にくい…(平均172.6yd)。ヘッドの重さが少ないことで、インパクトの瞬間にボールを潰して叩いていけず、飛距離がロスしてしまっているように感じます」

重さ:50g、トルク:5.2、バランス:D3、中調子(※硬さSの場合)

―他社の軽量モデルと比べると?
「総重量が300g以下で、ボールのつかまりがいいドライバーは、最近多く発売されていますが、私がこれまで使ってきたモデルも、比較的にやさしいとされるモデルばかりでした。ですが、この『―MAX FAST』は、その中でもよりやさしさにフォーカスしている印象を受けます。その分、飛距離に関しては若干の物足りなさを感じました」

左から「パラダイム」<「―MAX FAST」<「―X」。西川が感じた投影面積の大きい順

―同シリーズの1Wの中で最も評価は高いですが?(※総合評価4.0点)
「アドレスして上から見た印象が、スタンダードモデル『パラダイム』と『―X』(※ともに3.7点)のちょうど真ん中で、比較的に大きめのサイズ&後方に長いクラウンが苦手な私にとって、適度なシルエットに感じられたからだと思います。サイズ感は、スタンダードモデルほど小ぶりではないものの、『―X』よりネック後方がややシャープなつくりで、それほど大きさを意識せず構えることができました」

「軽量ヘッドをより振りやすくするシャフトの存在は大きい」と西川

―どのような人向き?
「コンセプト通り、パワーが少ない女性やシニアゴルファー向けだと思います。私のHS(平均35~36m/s)でも、ヘッドに鉛を付けたり、後方のバックウエイトを付け替えたり、重さの調整が必要だと感じます。ですが、ヘッドとシャフトのバランスが合っているだけに、シャフト自体をカスタムすることはお勧めできません。純正組み合わせの“吊るし”状態で、合う合わないを判断してほしいと思います」

バランスの良さを評価してオール4.0【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SPEEDER NX 40 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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