4年ぶり!春告げる掛け声 山車や屋台囃子も華やかに 秩父で山田の春祭り 地域に響く「ホーリャイ」

勇壮に引き回される上組笠鉾=12日午前10時半ごろ、埼玉県秩父市山田

 埼玉県秩父市山田にある恒持(つねもち)神社の例大祭「山田の春祭り」が12日、同神社周辺で4年ぶりに行われた。市指定有形民俗文化財の山車計3基が巡行し、「ホーリャイ、ホーリャイ」のかけ声が地域内に響き渡った。

 同祭りは秩父地域で1年の最初に山車が出るため、秩父路に春の訪れを告げる祭礼といわれている。今年は、花笠で彩られた上組笠鉾(かさぼこ)1基と、きらびやかな山組・本組の屋台2基が県道11号約1キロ区間を巡った。

 笛や太鼓の秩父屋台囃子(ばやし)が響きわたる中、紅白衣装をまとったはやし手たちは威勢よく扇子を振り上げ、訪れた大勢の見物客を魅了した。同祭り行事長の金田幸宏さん(53)は「コロナ禍に入って以降、『今年こそは』という気持ちで毎年、準備を進めてきた。ようやく地元民のもどかしい気持ちが払拭できた」と笑みを浮かべた。

 夜にはスターマインの花火が打ち上げられ、大輪の花が夜空を彩った。

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