前回同様三つどもえか 西彼杵郡区(定数2)<県議選2023 直前情勢⑤>

 長与町を地盤とする自民の山口経正と立憲民主の饗庭敦子の現職2人に、時津町から自民新人の冨岡孝介が挑む。前回と同様「長与2、時津1」の構図による三つどもえの戦いになりそうだ。
 2月4日、山口は事務所開きで「仕込んできたものがやっと形になる。県政で発言力を増し、どんどん予算を取ってきたい」と3期目の重要性を強調した。3月1日の総決起大会には約250人を集め、町長の吉田愼一も駆けつけた。町議時代も含めると議員生活は20年。過去2回連続でトップ当選したが「油断は禁物」と強固な後援会組織を中心に態勢を固める。
 「反自民で奪還した議席を守り通したい」。2月23日の事務所開きで支援者を前に饗庭はこう呼びかけた。4年前、落選した自民候補との差はわずか59票と薄氷の勝利。当時は自民時津支部が候補者を擁立できず「票がこちらに流れてきた」(関係者)と危機感を募らせる。連合長崎の推薦を受け、反自民の受け皿と唯一の女性候補という点をアピールしている。
 冨岡は元衆院議員冨岡勉の次男。中学高校の6年間を過ごした時津町から初めて選挙に臨む。「時津から県議を」と地元の町議や元県議らも団結。医師でもある父の人脈を生かして医療関係の推薦も多く得た。ただ組織的な動きが本格化したのは昨年12月に入ってからで「準備不足は拭えない」(関係者)。朝のつじ立ちを続け、顔を売り込むのに懸命だ。=文中敬称略=

◎立候補予定者

▼西彼杵郡区
山口 経正 66 自現(2)
冨岡 孝介 41 自新 
饗庭 敦子 60 立現(1)

© 株式会社長崎新聞社