備前焼の若手作家が技や発想力を競う「第51回備前陶心会展」が14日、岡山市北区天神町、岡山県天神山文化プラザで始まった。今回のテーマは「炎・焔(ほむら)」。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催とあって、意欲あふれる26点が愛好者らを楽しませている。19日まで。無料。
作家でつくる同会(伊勢崎晃一朗会長)の50歳までの現役会員が1点ずつ出品。開幕前に審査があり、ハート形の心臓に漫画風の文字を彫り出し「燃えるような恋心を表現した」という森大雅さん(48)=備前市=のオブジェ「ドキドキ」が、最高賞の岡山県知事賞に選ばれた。
他にも、炎が立ち上る様を形にした花器、岩肌のようなひび割れで炎の勢いを伝える茶わん、火をつかさどる精霊「サラマンダー」をモチーフにした細工物など、個々の解釈で自由に表現。毎回訪れているという男性(87)=倉敷市=は「古備前風から現代的な造形までバラエティー豊か。次代を担う作家の気概が感じられる」と見入っていた。
その他の受賞者は次の通り。(敬称略)
備前市長賞=馬場隆志▽山陽新聞社賞=佐々木剛▽天満屋賞=豊福博▽岡山高島屋賞=山本年信