生徒の自殺 外部有識者が原因調査 県教委、再発防止策の「方向性」

岡山県庁

 2012年に操山高(岡山市中区浜)野球部の男子生徒=当時(16)=が自殺した問題で、岡山県教委が再発防止策の「方向性」を取りまとめたことが14日、関係者への取材で分かった。学校現場などで生徒の自殺が発生した場合の原因調査について、男子生徒の両親の意向を踏まえ、外部有識者を交えて進めることを盛り込んだ。

 この問題を巡っては21年3月、男子生徒の自殺は当時野球部の監督だった教諭の不適切な指導が原因とする第三者調査委員会の報告書が公表され、県教委は両親と協議しながら再発防止策をまとめる方針を示している。

 県教委の示した方向性によると、自殺事案が発生した際、学識経験者や弁護士、臨床心理士らが詳細に原因などを調べることとし、今後、一連の調査手法を定めた基本方針を策定する。県教委は男子生徒が自殺した当初、指導との因果関係を不明とした経緯があり、両親が第三者の関与が必要と指摘していた。

 この他、暴言や侮辱的な言動といった不適切な指導について、より厳しい懲戒処分の指針を策定。再発防止策の効果を検証するため生徒にアンケートを行うことも盛り込んだ。

 男子生徒の父親は山陽新聞社の取材に「方向性の取りまとめは通過点に過ぎず、今後も実効性ある再発防止策の策定に向けた関与を継続したい」としている。

© 株式会社山陽新聞社