自由塾IKINUKIが新潟県新潟市古町ルフルで「稼ぐ授業」 経済の仕組みを実践で学ぶ

他と差別化するためのポップ作りにも苦労と工夫が見られる。授業の一環とはいえ、実際の市場の光景と変わりがない

新潟県新潟市にある古町ルフル(新潟市中央区)では、「こどもマルシェ」が開催され、会場では野菜などを販売している子ども達の「いらっしゃいませ~!」という元気な声が響き渡った。出店をしていたのは、自由塾IKINUKIが2月25日に天神尾自治会館で開催した「稼ぐ授業」に参加した小学校1年から6年生の児童ら16店舗が出店した。

児童らは朝8時に新潟市西蒲区にある大越農園で収穫を行い、25日に学んだ知識を元に、野菜の選別から、袋詰め、販売のためのポップ作りまで「どうすれば売れるか」などを工夫しながら、全て自分たちの手で行い、商売の仕方を実践的に体験した。保護者などの大人は売り子などのサポート役に回った。

「2週間で学んだことを活かして欲しい」と語る大越正章さん

25日から同IKINUKIで特別講師として、「農家とは何か」「農業とはどんな仕事か」また、値付けの仕方やポップの作り方などを児童らに指導した大越農園の大越正章(まさふみ)さん(42歳)も、当日他の大人達とともにマルシェに参加し、「皆さんは朝起きて、自分たちで収穫して、販売している。その時点で、スーパーと差別化できる価値を持っている。ただ単に商品を(店舗に)置いて販売するだけではなく、そこをしっかりお客さんに伝えてください。全店舗売り切れ目指して頑張りましょう!」と児童らに呼びかけた。

IKINUKIの内山航塾長(41歳)も、「単に“売れたね”で終わりではなく、いくらで仕入れたのか、いくら(値段を)乗せて、いくら儲かったのか、特に仕入れ値をしっかり意識して販売して欲しい」と、具体的なアドバイスを示した。

「後でいくらで仕入れたか一人ひとりに聞きます」と内山航塾長。マルシェはあくまで授業の一環

「商品が売れて嬉しい」と語った田村澪音さん(左)と田村さんのお母さん(右)

新潟県新潟市内から出店者として参加した田村澪音(7歳)さんは、「(朝早くから起きるのは)眠たかったけど、野菜が売れて嬉しい」と喜びの声を寄せた。

カブと米を購入した新潟市内在住の70歳の女性は、「今朝採り立てということを聞いて新鮮で食べるのが楽しみ」と、嬉しそうな様子だった。また、同じ市内在住の54歳男性は購入したイチゴとネギを見せながら、「みんながこうやって(盛り上げてくれて)いいんじゃないですか」とマルシェの盛り上がりを評する。児童らのみならず、参加した大人達にとっても楽しめる学びの催しとなった様子である。

マルシェを企画した内山塾長は、「マルシェを企画して本当に良かった。(児童らには)稼ぐ楽しさと農業を知って感謝の心を持ってもらいたい」と、催しを振り返った。

(文・撮影 湯本泰隆)

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