
【ワシントン共同】米欧州軍は14日、黒海上空の国際空域を同日飛行していた米軍無人偵察機MQ9がロシア軍のスホイ27戦闘機に体当たりされ、墜落したと明らかにした。欧州軍はロシア軍による「無謀な行為」だと非難した。黒海はロシアが侵攻を続けるウクライナに面しており、米ロ両軍機が情報収集などのため上空を飛行している。
ロシアが米国の対ウクライナ軍事支援に反発を強める中、米ロ間の偶発的な衝突が直接の交戦につながりかねないとの懸念が出ている。米国務省のプライス報道官は14日の電話記者会見で、トレーシー駐ロシア大使がロシア外務省に強く抗議したと明らかにした。「危険でプロとは思えない行動だ」と批判した。
一方、ロシア国防省は14日、クリミア半島に近い黒海上空で領空に向けて米軍偵察機が飛来したため戦闘機を発進させたが、武器は使用せず接触もしていないと通信アプリで発表。大幅に針路を変更した偵察機が制御を失い、海上に墜落したと主張した。複数の戦闘機は無事に基地に戻ったとしているが、米国防総省は戦闘機も損傷したと分析している。
