ハンマーで店長ら襲撃、1千万円超強奪…元店員に懲役16年 裁判長「危険で粗暴」 浦和パチンコ店強殺未遂

さいたま地方裁判所=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 昨年6月、埼玉県さいたま市浦和区のパチンコ店で同僚の従業員男性2人を殴り現金1千万円以上を奪ったなどとして、強盗殺人未遂と窃盗の罪に問われた、元同店従業員で無職葭田拓央被告=同区本太3丁目=の裁判員裁判の判決公判が14日、さいたま地裁であった。佐々木一夫裁判長は、強固な犯意に基づく犯行だとして懲役16年(求刑・懲役18年)を言い渡した。

 判決理由で佐々木裁判長は、現金を数える男性店長をハンマーで背後から殴り、止めに入った別の男性従業員に対しても複数回殴ったことは「被告人の体格が約100キロであることを踏まえると、極めて危険で粗暴な犯行」と指摘。自身が早番勤務の日に実行し現金強奪に成功しており、「計画性の認められる犯行」と述べた。

 弁護側は凶器により殺傷能力の高い刃物ではなくハンマーを使用した点などを指摘し、懲役10年を求めていた。

 判決によると、葭田被告は昨年6月5日午前7時45分~同54分ごろ、勤務先のパチンコ店「パチンコプラザラ・カータ浦和店」で、店長の男性=当時(38)=の後頭部を殴るなどして約2週間の頭部挫創などを負わせた上、止めに入った従業員の男性=当時(23)=の頭をハンマーで多数回殴るなどして加療約1カ月の左頬骨骨折などを負わせ、現金約1148万円を奪うなどした。

 葭田被告は犯行後、現場から逃走。指名手配され、熊本県で逮捕された。

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