[J1アルビ新潟LAB~データで分析]<1>相手を手玉…伊藤涼太郎のスルーパス(3月11日川崎戦)

川崎戦の後半、パスを出すMF伊藤=ビッグスワン

 今季6季ぶりにJ1を舞台に戦っているアルビレックス新潟。「アルビLAB(ラボ)」では、昨季から積み上げてきたスタイルをJ1の舞台でも貫き、リーグ戦で奮闘する選手やチームを、データを用いて振り返ります。

(データはリーグ公認の競技データ「J STATs」による)

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 J1アルビレックス新潟は11日、第4節で川崎を1-0で下し、リーグで唯一の無敗をキープした。過去6シーズンで4度の優勝を誇り、今季も優勝候補に挙げられる強豪を何度も手玉に取ったのが、MF伊藤涼太郎だ。決勝点だけでなく、スルーパスで相手守備を切り裂いた。

 前半17分、自陣深くでボールを持った伊藤は切り返しから、右サイドを駆け上がったMF太田にロングスルーパス。攻め込まれていた展開から、決定機をつくった。後半6分にも自陣左サイドで前を向き、逆サイドの太田へつなげて鋭いカウンターを見舞った。いずれもシュートは相手GKに防がれたが、その正確なパスは川崎の脅威となり続けた。

川崎戦の後半、パスを出すMF伊藤=ビッグスワン

 伊藤のスルーパスの本数は、リーグでも群を抜く。ここまで4試合でマークした7本はリーグ最多。FW宇佐美(G大阪)らの2本が同2位タイ。伊藤は川崎戦での2本もシュートにつなげ、ボールを持ったらシュート、ゴールに直結するプレーをいかに意識し続けているかが分かる。

 川崎戦はボール保持率で上回られ、押し込まれる時間も長かった。それでもシュート数は新潟が3本多かった。劣勢からでも何度もゴールに迫ることができたのは、伊藤の存在が大きかった。

※LAB(ラボ)は英語で、研究室などを意味します。

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