ヴィンテージドレスショップを訪れ、高級ドレスを着る若い女性 「メグレと若い女の死」本編映像

2023年3月17日より劇場公開される、「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」などで知られるパトリス・ルコント監督の8年ぶり最新作「メグレと若い女の死」から、本編映像の一部が公開された。

公開されたのは、若い女性がヴィンテージドレスショップを訪れ、高級ドレスを試着するシーン。緊張している様子で入店した女性は、女性は上半身裸で胸を隠しながら、シルクのイブニングドレスを身にまとう。店員が背中のファスナーを上げ、腰に手を添えるシーンはどこか官能的で、ルコント監督らしさのあるシーンとなっている。最後にアクセサリーを身に着けた彼女は笑顔を見せるが、悲しげにも見える。なぜ高級ドレスを必要としているのか、果たして彼女はどこへ向かおうとしているのか、謎めいたシーンとなっている。

「メグレと若い女の死」は、「仕立て屋の恋」の原作者でもあるジョルジュ・シムノンによるミステリー小説「メグレ警視シリーズ」の中でも、深い余韻を残す作品としてファンの人気が高いという、1954年に発行された同名原作を基に描いた作品。1953年のパリ。モンマルトルのヴァンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。血で真っ赤に染まったドレスには5カ所もの刺し傷が残されていた。事件を捜査するメグレ警視は、捜査を進めていくうちに、被害者が殺された理由や彼女の人生を探っていく。ジェラール・ドパルデューがメグレ警視を演じる。

また、一足先に本作を鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■うつみ宮土理(タレント)
愛川は「人間の心のやり取り」「情感」を描いている「メグレシリーズ」が大好きだった。
中折れハットを被り、薄い色のサングラス、口髭をつけると、愛川は知的で温かいメグレ警視に変身した。
愛川も観たかったでしょうね。

■大倉崇裕(作家)
画の中心にはいつもメグレがいる。殺された若い女は誰なのか。彼女を殺したのは誰なのか。
執念の捜査の中に垣間見える、悲哀、愛情、怒り。これぞ、メグレだ。

■桑原隆行(福岡大学名誉教授)
簡潔と余情、台詞の妙、小道具(パイプ)と遊び心が心憎い演出。
ルコント健在なり。孤独の色に沈んだパリ、セーヌ河岸を歩くメグレとベティ、メグレ=ドパルデューの憂愁漂う後ろ姿、どれもが心に沁みます。「気に入った?」「ああ」「よかった」時にはメグレのように映画館に!

■井戸本幹也(ミステリマガジン編集部)
メグレは事件の謎だけではなく、人の心も解き明かす。
ミステリ界の巨匠の作品を、映画界の巨匠が新しく生まれ変わらせた傑作。

【作品情報】
メグレと若い女の死
2023年3月17日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

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