激戦必至!徳島県知事選挙 保守3分裂、6選をかけた現職の行方は?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年3月15日に公開された動画のテーマは……「激戦必至!徳島県知事選」

ゲストにJX通信社の米重克洋氏をお招きし、4月に行われる徳島県知事選挙について解説いただきました。

徳島県知事選、その複雑な構図とは……?

【このトピックのポイント】
・保守系候補がなんと3分裂の徳島県知事選
・保守分裂だけでなく、現職の6選も争点に?
・他の立候補者も、徳島の政治界を代表する大物ぞろい

徳島県知事選、保守分裂の構図は昔から?

3月23日に告示、4月9日に投開票が行われる徳島県知事選挙。現段階では現職の飯泉嘉門氏を始めとする4名が立候補を予定しています。

米重氏「保守分裂は最近、全国各地で選挙としては多いなーっていう風に皆さんも感じたと思うんですけれども、徳島は割と最近までこの4分裂の構図だったんですね」

今回、立候補を見送った岸本泰治氏も自民党の元県議なので保守系ということになります。岸本氏が出馬すると今回も保守4分裂となる様相でした。

米重氏は、岸本氏が出馬を見送った理由として情勢が厳しいことを挙げたと説明し、徳島新聞とJX通信社が合同で行った情勢調査でも、岸本氏の情勢がやや厳しいという数字が出ていたことを明らかにします。

3分裂に収まったとはいえ、大激戦となった昨年の石川県知事選と同じレベルのため、米重氏は「非常に激しい選挙になることは間違いないのかなと思います」と見通す。

MC千葉佳織「保守分立がありながら、野党側、立憲や国民、維新などはどうしているんですか」

現職の飯泉氏は、立憲、国民それぞれの県議会の会派と政策協定を結んでいます。ただ、これらの会派は、党を代表するというより、立憲所属の議員、国民所属の議員がいる少数の会派という位置づけです。米重氏は、今回の選挙ですでに徳島県連としては自主投票を表明しており、ちょっとわかりにくい整理になっていると語ります。

超・多選、6期目を目指す現職に死角は?多選批判をどう読む?

MC千葉「通常、現職が有利だと言われますが、6選目ってのはかなり珍しいのではないかと思いますが?」

米重氏は、現職が有利とはいえ、有利になるのは3期までで、4期になるとどうしても多選批判がつきまとうことを指摘します。これまでにも、茨城県知事選などで多選批判を受けた現職が落選したことを例に挙げ、飯泉氏にとって、今回は今までで一番厳しい選挙になるということは間違いないだろうと予測します。飯泉氏が6選を目指すことについて、「多選であるということだけで、ビハインドが大きいと思います」と述べます。

実際、前回の県知事選挙において、当初は知名度もあり、選挙前の情勢調査でも圧勝だと思われていた飯泉氏が、予想以上に岸本氏に迫られた選挙だったと米重氏は振り返ります。

米重氏「尻上がりに岸本さんが伸びたっていう感じを受けました」

米重氏は、前回選挙では、後から投票態度を決めた有権者が岸本氏に投票したのではないかと推測します。そのうえで、今回も飯泉氏が出馬すれば厳しいだろうことはおそらくわかっていたとしつつ、他の候補が分裂してることを踏まえ、勝負になると読んでいるのではないかと推察します。

有権者の「6選」へ抱く危機感は?他の保守候補は?

前回2019年の徳島県知事選挙の結果を振り返ります。

MC千葉「今、米重さんからもありましたけど、確かに飯泉さんに15万票入っていますが、岸本さんには12万票ですよね」

米重氏「飯泉さんにとって、今までの選挙と比べると楽な選挙ではなかったと言えると思います」

今回当選すれば6選となり、徳島県政では例を見ないところになります。そこに対する有権者の危機感がどこまであるかがカギになりそうだと米重氏は予測します。

MC千葉は、多選批判というものが、選挙演説中や、テレビで重ねて報道され、言葉が全体に広がっていくようなイメージであると指摘します。

米重氏はMC千葉の指摘に呼応し、普段から支持政党のようなものがなく、後から態度を決めていく有権者が、多選の知事に対しどのような態度を取るかがポイントになるだろうと述べた上で、今回の選挙戦では、飯泉県政への評価と、多選への評価が違うものに位置づけられるだろうと分析します。

一方、他の保守候補はどのように票が割れるのでしょうか。

今回は保守分裂であり、しかも米重氏をもって「何でこんなにもめてるのか、よく分からないって割れ方をしている」という徳島県知事選。

候補者の支援状況は地域によって差があること、争点として県と徳島市が連携して新しいホールや駅を作るという構想に対する賛否があるとはいいながら、それらがどれほど県民全体の興味関心を得ているかは難しく、予想がきわめて困難であることを指摘します。

MC千葉「有権者が今のところ何に興味持っているかってのも、調査されているんですか」

米重「その辺はぜひ(徳島新聞とJX通信社の)記事を・・・」

MC千葉「うーん、くやしい(笑)」

米重「徳島新聞の電子版にめちゃくちゃコンテンツが載っているので」

MC千葉「そんなに公開してしまってるんですね?」

米重氏は、「保守分裂って最近の選挙の中では鉄板でおもしろい選挙」と述べた上、なぜこうなったのかなど、徳島新聞といろいろ掘り下げていることを示唆しました。

他の保守系候補、それぞれの強みは?

後藤田正純氏は、大叔父が元副総理で、「カミソリ後藤田」と呼ばれた後藤田正晴さん。正純氏はその系譜に当たる方で、衆議院議員として徳島1区で当選を重ねてこられた方です。

ただ、前回の衆院選では徳島県議会の自民党議員と対立し、その結果地元の自民党の応援を得られないような形で選挙に出た結果、徳島1区の野党統一候補だった仁木博文氏に破れ、比例復活で当選するという形になり、ある意味土がついた形になりました。

今回後藤田氏は、比例復活で得た衆議院議員の職を辞して知事選に鞍替えするという格好になります。

また、三木亨氏は元参院議員。参議院の、いわゆる比例の特定枠で当選した議員です。

徳島の民意を代表する人として特定枠で処遇をされた三木氏が、それを辞めて出馬するということで徳島の代表が1人減ってしまうことを懸念する自民党徳島県連からの引き止めがあったものの、やはりご本人の思いが強く、今回県知事選に鞍替えをされています。

三木氏の父親も県知事を務めていた歴史もあり、やはり徳島の県政界におけるひとつのエリートともいえます。

古田元則氏は共産党県書記長です。飯泉知事の前は、米重氏は徳島県政では過去に革新知事も誕生した歴史があることに言及した上で、今回の知事選では「革新系の選択肢は古田さんだけになる」と解説しました。

このように、徳島県の政治界の歴史を背負った保守系候補者に共産党系候補が加わった、今回の徳島県知事選。

選挙ドットコムでは、引き続き4候補を追いたいと思います。

動画本編はこちら!

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