2023年WEC新時代開幕。トヨタ8号車の平川亮が最速タイムをマーク/第1戦セブリングFP1

 3月15日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2023年のWEC世界耐久選手権が開幕した。この第1戦セブリング1000マイルレース最初のセッションとなったフリープラクティス1では、終了間際にトヨタGAZOO Racingの8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)の平川が1分47秒649という最速ラップを記録。フェラーリAFコルセの2台のフェラーリ499Pが、これに続いている。

 キャデラック、フェラーリ、ポルシェ、ヴァンウォールといったマニュファクチャラーの新型車両が最高峰ハイパーカークラスにデビューする2023シーズン。先週末の11〜12日に行われた公式テスト『プロローグ』に続き、いよいよ第1戦のレースウイークがスタートした。

 現地時間10時55分に始まった60分のセッションは、開始15分のところで51号車フェラーリ499Pのジェームス・カラドが1分47秒台に入れ、今年デビューの新型ハイパーカーをタイミングモニターの最上段につける。プロローグでの最速はトヨタ7号車の1分48秒208。したがって、レースウイーク最初のセッションから、そのタイムは塗り替えられたことになる。

 終盤までこのカラドのタイムは更新されなかったが、残り3分を切って0.286秒縮めてきたのはトヨタ8号車の平川だった。ディフェンディングチャンピオンが、2023年最初のセッショントップを奪った。

 さらに50号車フェラーリ499Pのミゲル・モリーナも最終ラップで自己ベストを更新し、3番手へと浮上。フェラーリは2〜3番手でデビューセッションを終えた。

 キャデラック・レーシング(チップ・ガナッシ・レーシング)のアール・バンバーは、2号車キャデラックVシリーズ.RをLMDh規定車両の中で最も上位となる4番手につけた。

 ホセ・マリア・ロペスが記録したタイムでトヨタの7号車GR010ハイブリッドが5番手。なお、このセッションではチーム代表を兼ねる小林可夢偉はタイムを記録していない。さらに2台のポルシェ963、そして2台のプジョー9X8が続き、708号車グリッケンハウス007と4号車ヴァンウォール・バンダーベル608は、LMP2勢の中に埋もれる形となった。

 全車がオレカ07・ギブソンのパッケージで争うLMP2クラスでは、プレマ・レーシング63号車を駆るミルコ・ボルトロッティがクラス首位となる1分50秒074をマーク。これにチームWRT31号車、プレマ・レーシング9号車が続いている。

 LMGTEアマクラスでは、女性ドライバートリオで参戦するアイアン・デイムスの85号車ポルシェ911 RSR-19が最速。AFコルセ54号車フェラーリ488 GTE Evo、コルベット・レーシングの33号車シボレー・コルベットC8.Rがトップ3となった。

 日本勢では木村武史も乗り込むケッセル・レーシングの57号車フェラーリがクラス4番手と好発進。星野敏/藤井誠暢がドライブするDステーション・レーシング777号車アストンマーティン・バンテージAMRは、クラス11番手で2023シーズンをスタートさせた。

 フリープラクティス2のセッションは16時35分から60分間予定されている。

トヨタ8号車に次ぐ2番手タイムを記録した51号車フェラーリ499P
アイアン・デイムスの85号車ポルシェ911 RSR-19

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