トヨタ7号車の小林可夢偉がライバルを突き放す。木村武史組フェラーリがクラス首位/WEC第1戦セブリングFP2

 3月15日、WEC世界耐久選手権第1戦セブリング1000マイルレースのフリープラクティス2のセッションがアメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われ、トヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)がトップタイムをマークした。

 午前中のFP1に続き、16時35分に始まった60分のセッションでは、序盤にトヨタ2台がアタックを敢行。8号車GR010ハイブリッドのブレンドン・ハートレーが1分47秒272と平川亮のFP1での全体ベストを上回る。

 しかし直後に可夢偉が1分46秒954を記録。直前の公式テスト『プロローグ』含めて唯一の46秒台となり、このタイムを破る車両はこの後も現れなかった。ハートレーのタイムで8号車も2番手でセッションを終え、トヨタはワン・ツーで初日を終えている。

 FP1同様、トヨタに続いたのはフェラーリAFコルセで、このFP2では50号車のアントニオ・フォコが終盤にタイムを更新し3番手へ。午前中のセッションではトヨタにコンマ差に迫ったフェラーリだが、ここでのフォコのタイムは1分48秒121と、トップの可夢偉からは1秒以上離されている。

 キャデラック・レーシングの2号車キャデラックVシリーズ.Rは4番手タイムとなったものの、リチャード・ウエストブルックはターン7でプロトン・コンペティション88号車ポルシェ911 RSR-19のライアン・ハードウィックと接触。88号車はダメージを負い、車両回収のため赤旗が提示された。

 ハイパーカー勢では5番手にフェラーリ51号車が入ったが、これに続いたのはタイムを上げてきた708号車グリッケンハウス007だった。オリビエ・プラは1分49秒700を記録し、これまでの彼らのベストタイムから1秒近く短縮した。

 ポルシェ963の2台とプジョー9X8の2台、そしてヴァンウォール・バンダーベル680は、グリッケンハウスの後塵を拝す形となった。

 総合8番手/LMP2クラストップとなったのはJOTAの28号車オレカ07・ギブソン(デビッド・ハイネマイヤー・ハンソン/ピエトロ・フィッティパルディ/オリバー・ラスムッセン)。ハイパーカーの94号車プジョー9X8を挟み、総合10、11番手にユナイテッド・オートスポーツの22号車、23号車が並び、クラストップ3となった。

 LMGTEアマクラスではケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE EVo(木村武史/スコット・ハファカー/ダニエル・セラ)がクラストップと好調だ。フェラーリ・ファクトリードライバーのセラは1分58秒845と、58秒台に入れる快走を見せた。

 コルベット・レーシングの33号車シボレー・コルベットC8.Rがこれに続き、Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR(星野敏/キャスパー・スティーブンソン/藤井誠暢)がクラス3番手につけている。

 走行初日のセッションはこれで終了。16日木曜日はフリープラクティス3と予選が行われる。

ケッセル・レーシングのフェラーリ488 GTE Evo

© 株式会社三栄