「腹立たしく失望」 トーマスは “飛ばないボール”提案に猛反発

トーマスはUSGAを痛烈に批判した※写真は2022年「ジェネシス招待」(撮影/村上航)

◇米国男子◇バルスパー選手権 事前(15日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7340yd(パー71)

ゴルフルールを統括するR&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が14日に発表したゴルフボールに関する新たな規則の提案にトッププロから反論が相次いだ。

両団体は、ゴルファーの伸び続ける飛距離に対応して“飛ばないボール”の使用をプロツアーやトップアマチュアらが参加する競技者向けの大会のローカルルールとしての採用を促すとしており、13日にはメーカーに対しても通達を済ませた。今年8月14日までのフィードバックをもとに承認されれば、2026年1月からローカルルール採用が「実施される見込み」と記した。

PGAツアー15勝のジャスティン・トーマスは「バルスパー選手権」を控えた記者会見で質問を受けると、「腹立たしいし、失望したと同時に驚きもしなかった。僕の目から見れば、USGAは長年にわたって利己的な決定を下してきたからね。彼らは言葉とは裏腹に、ゲームの向上に寄与しないことを数多くやってきた」と皮肉った。「これ(飛距離の伸長)は進化なんだ。僕たちはアスリートであり、ボールをより速く、より遠くへ打つためにトレーニングしている。断固として反対だ」と強い口調で重ねた。

今回の提案が採用されれば、アマチュアゴルファーがトッププロと同じボールを使ってプレーできる機会が失われかねないと指摘。また、「全米プロゴルフ選手権」を主催する全米プロゴルフ協会(PGA・オブ・アメリカ)などがローカルルール採用しなかった場合には、4大メジャーの中でも大会によって異なるボールを使って戦わなければならない問題点を挙げた。

さらに「PGAツアーの立場を代弁することはできないが…」とした上で「ここまで来ると、なぜハンディキャップを持つアマチュアのグループがプロゴルファーのルールを決めるのか、ということになる。偏りのある、不正確で自己中心的なデータに基づいて何かを変えたいのなら、僕たちは自分たちのものを作ろう、自分たちのことをやろう、というようなことになるのだろうか」とも話し、団体間の対立に踏み込んだ。

前年覇者として会見したサム・バーンズも「僕らがプレーしているのは、結局のところエンターテインメントスポーツ。ギャラリーは350ydを飛ばす選手を見るのが楽しいはずだ。それ(飛ばし)は技術だと思うし、それを奪おうとすることには賛成できない」と批判した。

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン