「世界遺産巡礼の道」を視察 フィリピンの神父ら 長崎へのツアー客誘致を

日本二十六聖人殉教地を視察する参加者ら=長崎市西坂町

 長崎県観光連盟が招待したフィリピンの神父らによる「世界遺産巡礼の道」の視察が14日、長崎市内であり、西坂町の日本二十六聖人殉教地などを見て回った。16日まで大村市と平戸市にある関連遺産も巡る。
 県は2021年3月に世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を巡る「世界遺産巡礼の道」を設定している。視察は、国民のほとんどがキリスト教徒のフィリピンで、巡礼の道の認知度を上げ、ツアー客の誘致につなげる狙い。
 大学や旅行会社、高校などに在籍する神父ら5人が参加した。江戸時代に西坂で殉教したフィリピン初の聖人、ロレンソ・ルイスの像と対面したほか、大浦天主堂や平和公園などを訪れた。
 巡礼ツアーを扱う旅行会社の役員、カルロ・マグノ・マルセロ神父(56)は「長崎はフィリピンのカトリック信徒にとって興味深い場所。日本で殉教者の道をたどるツアーは発想が新しく、需要がある」と話した。視察では、放虎原殉教地(大村市)や黒瀬の辻殉教地(平戸市)などを巡る予定。
 巡礼の道は総距離約468キロで、長崎県14市町と熊本県2市町にわたる5エリア、35コースで構成する。


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