多数の埴輪(はにわ)片が出土 福田地内の前方後円墳「高野山根1号墳」の発掘調査 / 岡山県津山市

岡山県津山市は、福田地内の前方後円墳「高野山根1号墳」の発掘調査を行っている。同古墳の発掘は初めてで、古墳周囲の溝(周溝)から多数の埴輪(はにわ)片が出土。19日午後1時半から現地説明会を開き、成果を紹介する。
皿川東岸の丘陵に位置しており、一帯は「佐良山・剣戸古墳群と中宮1号墳」として市史跡に指定。そのうちの1基の高野山根1号墳は全長(残存長)約35㍍を測り、築造時期ははっきりしていない。後円部中央に大きくえぐられた穴があることから、盗掘を受けた可能性が考えられる。
市が2019年度に測量図を作成したが、一部で墳丘の形が不明瞭なため、詳細な規模と形を把握する目的で2月下旬に調査を始めた。後円部北側と西側の2カ所を掘り進めたところ、高さ60㌢程度と推定されるものなど数多くの円筒埴輪の破片が出土。中には形象埴輪とみられるものもあった。
市文化課は「想定していなかった埴輪片の量の多さに驚いている。埴輪から古墳の築造時期に迫ることができるのではないか」と期待する。調査は24年度までの3カ年を予定。
見学会の事前申込と参加費は不要。駐車場は原田製材所敷地内だが台数に限りがあるため、乗り合わせや公共交通機関の利用を呼びかけている。少雨決行。
問い合わせは、津山弥生の里文化財センター(☎0868-24-8413)。

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