豪雨のあった熊本・球磨川を舞台に描く、生命をめぐる物語 「あの子の夢を水に流して」公開決定

遠山昇司監督の6年ぶりとなる長編映画「あの子の夢を水に流して」が、2023年5月20日より劇場公開されることが決まった。

「あの子の夢を水に流して」令和2年(2020年)7月豪雨を受けて制作された作品。生後間もない息子を亡くした瑞波は、失意のなかで10年ぶりに故郷である熊本・八代に帰省する。瑞波は幼なじみの恵介と良太に久しぶりに再会し、3人で豪雨災害の傷跡が残る球磨川を巡り始める。川を前にして語られる、それぞれが「あのとき」見たもの。3人はそこで、不思議な現象を目の当たりにする。

主人公の瑞波を演じるのは、「決戦は日曜日」やドラマ「silent」などの内田慈。共演には、連続テレビ小説「おかえりモネ」などの玉置玲央、熊本出身の中原丈雄、劇団「快快-FAIFAI-」の山崎皓司らが顔をそろえる。

遠山監督と主演・内田慈のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■遠山昇司(脚本・監督)
熊本県を中心に発⽣した令和2年7月豪雨を受けて企画した本作は、球磨川という川の流れと我が子を失った女性の姿を描いた物語です。
主人公の瑞波役を演じた内田慈さんの静かで切実な演技、恵介役・玉置玲央さんの川とともに生きる者としての佇まい、良太役・山崎皓司さんの誠実で真っ直ぐな言葉、そして3人を温かく見守り続ける出水役・中原丈雄さんの眼差しが川の流れと重なることでこの映画は生まれました。
川に流れているもの、流されたもの、そして人が川に流すもの。川という時間を映画という時間で体験して頂けたら幸いです。

■内田慈(主演)
川の流れのような映画です。生きる中での愛おしい営みも、苦しいこと悲しいことも、表面にあるもの底の方にあるもの、全てを内包して、”時間”という一定の方向に流れていく。人間を含めた、自然界に存在する全てのものが同列に扱われた作品。2020 年の豪雨災害の傷跡が残る熊本県八代市でオールロケ。当時氾濫し大きな被害をもたらした球磨川は、眼前で美しく輝いていました。自然と、共演者の玉置さん・山崎さん・加藤さん・中原さんらと、遠⼭監督はじめ全てのスタッフの皆さんと、みんなで生と死に向き合いました。是非ご覧ください。

【作品情報】
あの子の夢を水に流して
2023年5月20日(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
©「あの⼦の夢を⽔に流して」製作委員会

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