<新型コロナ>クラスター3件…埼玉343人感染5人死亡 無料検査の業者「申し訳ない」10倍以上の実績はウソ

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は16日、新型コロナウイルスに感染していた5人が死亡し、新たに0~90歳以上の343人の感染を確認したと発表した。感染者の内訳は県管轄が262人、さいたま市41人、川口市26人、川越市6人、越谷市8人。1週間の感染者数の平均は366.3人。

 これまでに確認された感染者は179万3222人。死者は3931人。15日夜時点の重症者は6人、入院は210人、宿泊療養は60人。

 県によると県管轄では80~90代の男女が3人死亡した。川口市では80代の男性1人が死亡。越谷市では80代の女性1人が死亡した。

 クラスター(感染者集団)関連は3件で、新たに感染が確認された施設はなかった。

 県教育局によると、県立学校で学級閉鎖はなかった。

■コロナ検査事業者、補助金を不正受給 県が登録取り消し

 県は10日、新型コロナウイルス無料検査の実施事業者だったアシストメディカル(富士見市)について、県に虚偽の報告を行い補助金の交付を受けていたとして、登録を取り消した。

 同社は運営する上杉薬局富士見店で、検査申込書に実際には検査を受けていない人の名前や住所を記入。通常の10倍以上の検査実績を報告し、昨年1~8月分の補助金として9154万円を交付されていた。

 県は虚偽の報告で交付した補助金の返還を求めるとしているが、実際に何件の検査が行われたかは不明。すでに警察に相談している。

 県感染症対策課によると、他の薬局に比べ検査件数が非常に多かったことから、昨年9月以降、複数回にわたり事業者を調査した。事業者は「適切に検査している」と虚偽の説明を繰り返したが、今年2月に虚偽の申請を認めた。「申し訳ない。不正に受給した補助金は返還する」と話しているという。

 県は昨年7月にも、検査の実態がなかった事業者の登録を取り消しており、今回で取り消しは2件目。登録事業者は584事業者となった。

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