ニューヨークで見つける 新生活にも役立つこだわりの雑貨

新生活の始まる春は何かと身の回りの雑貨を新調するのにもいい時期。最近は日本からの出張者や旅行者もめっきり増え、最適な雑貨やニューヨークならではのファッションを知っておくことで会話も広がりそう!(取材・文/菅礼子)


プロに聞く!

注目すべき気の利いた雑貨とは?

ニューヨーカーからも支持率の高い日本雑貨の合同展「DECO BOKO」を主催するレイエス真梨子さんに話を伺った。

アメリカでの雑貨のトレンドは?

多くの消費者が日本の雑貨に対して目が肥えてきていることもあり、最近では土鍋や鉄瓶が人気です。長く使えてクオリティが高いことが人気の理由です。

オーナーもお洒落な「Michele Varian」

調味料やお茶もトレンドとして上がっています。塩や七味、醤油など、こだわりの調味料を探している人も多いです。また、パッケージデザインが愛らしかったり、見栄えするものも好まれます。お茶もだいぶアメリカに浸透してきたと思います。今ではマニアックに産地や茶葉などまで見ている人が多いです。

柳宗理を始めとしたプロダクトデザイナーや染色工芸家の柚木沙弥郎など、日本の有名デザイナーの雑貨もとても人気です。

日本の雑貨の魅力は?

製作過程のA〜Zがとても丁寧で高度な職人技術が活かされています。上質さと機能性、こだわりのレベルが高く、ミリ単位で細部にわたりデザインされているあたりは日本の手仕事だと感じます。

日本の製品も多く揃う「November 19」

また、日本各地に広がる漆器や鋳物、陶磁器など、地方ごとに特色があり、デザインや風合いの違いなども魅力的だなと感じます。

日本の雑貨は絵付けなどの手作りの風合いがある一方、伝統技術とモダンさが融合しているところも特徴。製造過程は伝統的で高度な職人技が光り、デザインはモダンで現代の生活に溶け込みます。

合同展DECO BOKOで扱う商品の基準は?

デザイン性の高いブランドだということはマストです。あと、重要なことはアメリカ進出の準備(商流)が整っていること。商流が整っていないと販売をすることが出来ません。また、すぐに結果が出なくても長い目で見てアメリカのビジネスを続けたいというブランドさんです。

ニューヨークで気になっている雑貨ショップは?

ローワーイーストサイドにある「November19」はオーナー兼バイヤーのクラークが実際に日本を回って買い付ける商品が多く、商品知識も豊富な方で話に聞き入ってしまいます。ブルックリン区ボアラム・ヒルにある「Michele Varian」は、ファッション&インテリアデザインの経歴を持つオーナー兼バイヤーのミッシェルがカッコ良くてスタイリッシュなお店です。世界中から集めたアイテムがあり、その中にはもちろん日本の雑貨もあります。

グリーンポイントにある「Yoseka Stationary」は台湾で文具店を営む両親の元に生まれたニールと妻のデイジーが経営するお店。店内がお洒落で文具マニア必見。

「Mogutable」はウィリアムズバーグにあるお店で、姉妹がオーナーを務めるお店でシンプルなデザイン雑貨が多く、飽きが来なくて長く使えるアイテムが多いです。

レイエス真梨子さん
ノース・レーン・インターナショナル代表

NYを拠点にライフスタイル製品の卸ビジネスを総合的にサポートするスペシャリスト。
NYのショールームでセールスマンとしての経験を積んだ後独立。
コロナ禍をきっかけに展示会のニューノーマルを再考した際、新しい時代の展示会方法とは? 日本のブランドをより広く米国マーケットに広めるには何の付加価値が必要か? などという疑 問からDECO BOKO展示会をスタート。

気になる雑貨ショップに足を運んでみよう

さまざまなコンセプトの雑貨店があるニューヨーク。自分なりのお気に入りを見つけよう。


複合施設型

有名シェフのジャン・ジョルジュ氏プロデュースで昨年の夏にファイナンシャル・ディストリクトのPier17にオープン。2層からなる建物はレストランがメインだが、1Fにはキャンディーを中心にお菓子の詰め合わせギフトなどが揃う「Spoiled Parrot」に加え、2Fには調味料やキッチングッズなどを扱うコーナーも。ニューヨーク発のコーヒーや、ビンテージの食器類など、センスが光る。Tin Buildingオリジナルのグッズ(マグカップや鍋つかみ)などに加え、オリジナルの食品類も充実。ジャン・ジョルジュ氏監修の美食を楽しんでショッピングもできる複合施設だ。

ファンタジーな雰囲気の「Spoiled Parrot」

オリジナル商品はお土産にもおすすめ

Tin Building
96 South St./TEL: 888-777-0942/tinbuilding.com


Chelsea Market

観光地としても有名なチェルシーマーケットはニューヨークらしい雑貨が手に入り、お土産にも最適だ。「Chelsea Market Baskets」はNYと書いてある定番お土産から、ローカルの食品まで幅広く取り扱う。日本人にお馴染みのブラウニーショップ「FAR WITCH BAKERY」も必ず訪れたい。1F奥にはニューヨークの若手デザイナーを集積したアパレルコーナーもあり、地元ならではの商品が手に入る。

75 9th Ave./TEL: 212-652-2111/chelseamarket.com


Essex Market

リニューアルしてから充実の「Essex Market」でもクラフト感のある雑貨が手に入る。こちらも食品やレストランに加え、高校生や大学生がハンドメイドのフェアトレード商品を販売する「La Tiendita LES Girls Club」や、ローワーイーストサイドを拠点にするアーティストの商品を中心に集めたギフトショップ「The Pushcart Presents」など、ここでしか手に入らない雑貨をチェックしてみては?

Photos by Essex Market

88 Essex St./essexmarket.nyc


ゼロウェイスト型

イースト・ビレッジにあるゼロウェイストのライフスタイルを目指すショップ。詰め替えで販売されるシャンプーやハンドソープなども有名だが、雑貨も充実している。ランドリーボールや掃除用のタワシなどもお洒落なデザインでギフトにも最適だ。木製で出来た犬猫用ブラシなど、ペット用品も環境に優しい選択ができる。ギフトボックスも販売されている。

Photos by A Sustainable Village

A Sustainable Village
318 E. 9th St./TEL: 646-771-0671
asustainablevillagenyc.com


デザイン特化型

MoMAに併設されたお店と、ソーホーにもう一店舗お店を構えるデザインストア。美術館に所蔵されているアート作品の雑貨からおもしろ雑貨まで、いつ訪れても興味深い商品が見つかる。ホーム、文具、アクセサリー、テックなど取り扱い商品ジャンルも広い。草間彌生グッズや「BAO BAO ISSEY MIYAKE」、「ユニクロ」とコラボしたMoMA Tシャツなど、日本の商品も多い。同店にしかない商品にも注目だ。

Photos by MOMA Design Store

MOMA Design Store
11 W. 53rd St./TEL: 212-708-9700/store.moma.org


文具特化型

福岡を拠点とする文具・雑貨メーカー「ハイタイド」のロサンゼルスに次ぐ2号店として2021年にブルックリン区のウィリアムズバーグにオープン。日本人には懐かしい文具店をイメージした店内にはオリジナルアイテムに加え、買い付けた日本の文具が揃う。また、ローカルに根ざしたスペースを目指し、THE MOSS AND GREENショップと店内をシェアした落ち着きのある空間になっている。

CORNERSHOP HIGHTIDE
77 N. 7th St., Brooklyn, NY 11249/hightidestoredtla.shop

NY発のファッションブランドで個性を演出

アメリカ随一のファッション都市ニューヨーク発のショップをチェック!


本格派の若手モードブランド
Maiden Name

アリックス・フライライクとデイビッド・リーによって2019年にスタート。トップスからスタートしたブランドは2021年秋冬シーズンよりフルコレクションを発表。ユニセックスな要素を残しながらメンズとウィメンズに特化した商品も販売している。昨年ローワーイーストサイドにショップをオープンし、ブランド全体の世界観を表現している。2023年秋冬シーズンは70年代や90年代からインスパイアされたタイムレスなデザインのコレクションだ。ウールジャージを使ったトップスなど、シンプルではあるが素材感などでしっかりと作り込まれているのが分かる。デイビッドによるジュエリーもスタートした。

ヴィンテージ風のトップス

21 Orchard St.
maiden-name.com


NY発のエッジの効いたストリートカジュアル
Aime Leon Dore

クイーンズ出身のテディ・サンティスによってスタートしたブランド。常にソーホーのショップの前には長い列が出来ているストリートブランドで、ヨーロッパ的な大人のエッセンスが効いたスウェットなどは人気で大人にピッタリだ。メンズが中心のラインナップだが、ユニセックスで着用できるアイテムも多い。ニューヨークヤンキースとのコラボキャップなどはニューヨークならでは。現在は改装中でクローズとなっているが、併設されているカフェも人気でエコバッグやエプロンなど、白を貴重にしたシンプルなオリジナル商品もあり、こちらもオンラインショップから購入が出来る。

ヤンキースとのコラボキャップ

61 Crosby St.
(改装中のため仮店舗)
aimeleondore.com


名前から惹かれる特別感!
Only New York

Photos by Only NY

2007年にスタートした「Only NY」は現在、ローワーイーストサイドと、ブルックリン区のグリーンポイントに店舗を構える。2015年よりニューヨーク市の公式ライセンスパートナーとなっているため、ニューヨーク市のマグやアパレル、MTAやNYC ParksとコラボしたジュエリーやTシャツなどがあり、ニューヨークを感じられるラインナップはお洒落でもあり、お土産にも最適だ。それらの収益の一部はニューヨーク市に寄付されているという。シンプルなストリートカジュアルに「Only NY」のロゴが付いた靴下やキャップ、バッグなども揃っている。メンズとウィメンズの両方が揃っている。

便利なショルダーバッグ

49 Franklin St.
Brooklyn, NY 11222
TEL: 347-599-1187
onlyny.com


高級ブランドをお値打ち価格でゲット
The Real Real

環境問題への配慮などからセカンドハンド(中古品)への需要が高まっているが、新品同様の状態のラグジュアリーブランドをお値打ち価格で購入できるのが「The Real Real」だ。会員になることで自分の所有しているブランド品を売ることが出来る。現在はマンハッタンに2店舗、ブルックリンで1店舗展開をしている。現在では若年層の古着好きに拍車がかかっていたり、自分が着ることがなくなった服を他の人に楽しんでもらおうという傾向が強く、同店も支持を得ている。ほとんどが一点もののようなため、自分が気に入った商品に出会えるかは運次第でもある。

ブランド品もお手頃で購入が可能

80 Wooster St.
TEL: 212-203-8386
therealreal.com

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