キレイに変身!包丁研ぎサービス「ポチスパ」が想像以上にスゴかった。

サステナブルな暮らしが注目されている今、手持ちのものを長く大切に使うという意識が少しずつ私たちの暮らしの中にも浸透しているように感じます。なかでも「包丁」は、キチンとしたお手入れをすれば一生使えるアイテム。その切れ味や衛生面は、毎日の食事の質にも影響してきます。

とはいっても、自分で包丁を研ぐ習慣のない私にとって、なかなかハードルの高い問題。今の切れ味に不満はあるけど、砥石を揃えるのが大変だし、時間もかかるし、そもそも上手に研ぐ自信がありません。

我が家の台所に眠っていた包丁。こんなに錆びついた包丁でもキレイになるのでしょうか。

そんな悩みを解決してくれるのがオンライン包丁研ぎサービス

包丁を送るだけでプロの職人さんが包丁を研いでくれる、とっても便利なサービスです。

というわけで今回は、以下の3つの条件に当てはまる包丁研ぎサービスを徹底的に調査。

① ネットで簡単に注文できる
② 良心的な価格でコスパに優れている
③ 技術力の高い職人さんが研いでくれる

その中でもとくに期待できそうなサービスを見つけたので、実際に利用してみることにしました。

鍛治屋が始めた刃物研ぎ宅配サービス「ポチスパ」

今回、7社ほどのサービスを利用してみて最もコスパが高いと感じたのがこちらの『ポチスパ』。スマホやパソコンでポチッと注文するだけで、専門の包丁職人が研いでくれる包丁研ぎサービスです。

指定サイズ以内なら種類に限らずどんな包丁でも定額パックで、欠けや歪みの調整、柄のクリーニング、超音波洗浄などの無料サポートが充実。「PayPay」や「amazon pay」などのキャッシュレス決済に対応しています。

運営するのは石川県能登町にある「ふくべ鍛冶」。創業以来100年にわたって、農山漁村の生業と人々の暮らしを支えてきた鍛治屋さんです。なんでも能登の人々の生活道具を修理して歩く「野鍛治の行商」がルーツなのだそうですよ。

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注文の流れは以下の通り。

① オンラインショップでポチッと注文。支払いをする
② 送られてきた専用ボックスに包丁を梱包し、郵便ポストに投函
③ 研ぎ完了後に包丁が返送される

かなりシンプルですよね。

包丁2本分の料金は、送料と専用ボックス込みで3,980円。先述した無料サポートの充実ぶりを考えても、コスパはかなり高い方だと感じます。ちなみに能登の店舗に持ち込めば、ハサミ、ナタ、クワなどの刃物も修理もしてくれるのだとか。

オンラインショップで注文してから、数日後に専用ボックスが到着。

紙製の鞘が付属されているので、そこに包丁をセットしたら、あとはポストに投函するだけ。刃先や刃渡りを気にせず梱包できるのが便利ですね。

ちなみに今回、包丁研ぎを依頼したのがこちらの2本の包丁。十年以上前に購入したものなので、かなり年季が入っています。

ビフォーアフターを比較してみた。

こちらは両刃の牛刀。超音波クリーニングされているせいか、見違えるようにキレイになりました。これなら気持ちよく料理ができそうです。

こちらは片刃の小出刃包丁。あんなに錆ついていた包丁がこんなにキレイになって戻ってくるなんて…。外れかけていた口金が直っていたのにも感動しました。

それでは、切れ味を試してみましょう!

もはや購入時よりも良くなったんじゃないかと思うほどの切れ味。キュウリがスパスパと切れます。一本あたり2,000円でこれだけ見た目がキレイになって、切れ味も復活するなるなら安いもんですね。

注文から納品まで1〜2週間。その間は、包丁のレンタル(有料)もしてくれるので、家にある包丁をまとめて依頼!なんていうのもアリです。

もうひとつ『ポチスパ』を便利だと感じたのが、受注管理システムの存在。同封されているQRコードにこちら側からアクセスすると、なんとオンライン上で作業の経過やビフォーアフターが写真で確認&追跡できてしまうんです。

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ほかにもある?ポチスパの魅力を職人さんに聞いてみた。

ーどうしてポチスパをはじめたんですか?
干場さん:「良い道具を長く使う」という野鍛治の文化を今の時代に定着させるために始めました。

ー野鍛治と普通の鍛治屋は何が違うんですか?
干場さん:包丁や農具、漁具など暮らしの道具を作るのが野鍛治。私たちの原点は、この地域の営みと暮らしを支える道具をつくり、それを修理してまた使ってもらう「野鍛治」の文化にあります。

ーまさに今の時代にぴったりな生業ですね。
干場さん:限りある資源を大切に使うべき時代。私たちはこの文化を、地域の生活に密着した行商とインターネットを活用したグローカルな視点で継承していきたいと考えているんです。

ーポチスパはどんな方が利用しているんですか?
干場さん:包丁を研ぐのが苦手な方を中心に、自分で研げるけど切れ味に納得がいかない方や、スーパーなどの出張研ぎ屋さんの切れ味に不満を感じている方まで、幅広くご利用いただいています。

ー私みたいな人がたくさんいるんですね。
干場さん:ほかにも修理店に行くまでに包丁を持ち歩くのが怖い、危ないという理由でポチスパを利用される方も結構いらっしゃいますね。

「ふくべ鍛冶」4代目の干場健太朗さん

ー包丁を研ぐ際にこだわっていることはありますか?
干場さん:たくさんあります。まずは研ぐ前の検品で、包丁に合った修理方法を見極めること。材質や形状だけでなく、製造元や状態によって適した研ぎ方が変わるんです。

ーそうなんですね。
干場さん:包丁の刃や地金には、鋼、ステンレス、鉄のほか、特殊な材質が使われているのですが、それぞれの材質に応じた砥石やクリーニングを行うことで、道具本来の性質が最大限に生かされるんです。

ー包丁の特性を生かした研ぎというのは、なかなか一般家庭では真似できませんね。
干場さん:それと細かい精度を追求するために、最終的な仕上げは専門の職人がひとつひとつ手作業で行っています。そうすることで最新設備でもできないイレギュラーの修理にも対応できるんですよ。

ーこれはなんですか?
干場さん:利用者様からの手紙です。ポチスパを利用した約1割の方からお手紙が届いていて、これが私たち職人の励みにもなっているんです。

ー素敵ですね〜。ところで私が利用して思ったのが、便利な機能が充実している所。とくにスマホで作業状況が確認できるのがうれしかったです。
干場さん:ありがとうございます。管理受注システムはほかのお客様にも好評で、オリジナルの専用ボックスと共に、現在特許を出願中なんですよ。

ー全国には様々な包丁研ぎサービスがありますが、それとポチスパはなにが違うのでしょうか?
干場さん:どんな状態の包丁でも料金が一律なことですね。そこには送料や欠け直し、サビ落とし、クリーニング、オリジナルの梱包箱も含まれていて、準備するのは包丁だけという便利さもあります。

ーラインで相談もできるんですよね。
干場さん:はい。「こんな欠けでも直してもらえる?」といった相談ができる、LINEのカスタマーサポートがあります。

ーお〜っ!これはいいですね。
干場さん:私たちも実際の状態を見ないと判断できない時もあるので、とても役立っています。公式のラインアカウントに登録していただくと300円のクーポンもお付けしているので、そちらと併用してぜひご活用ください。

【公式】ふくべ鍛冶 カスタマーサポート

ーちなみに包丁研ぎはどれくらいの頻度で依頼するのが良いんですか?
干場さん:切れ味が落ちてくる3カ月に1回を目安にするのが良いと思います。

ーそうなんですね。
干場さん:はい。シャープナーなどの簡易研ぎ機をお使いの方もいると思いますが、長く使い続けるためには3ヶ月に1回を目安に砥石で包丁を研ぐことをおすすめしています。

ーシャープナーと砥石で研ぐのは何が違うんですか?
干場さん:シャープナーと砥石では、構造的に研ぐ場所が違うんです。シャープナーは刃先の1mm程だけキズをつけることで切れるようになりますが、すぐに切れ味がなくなってしまうんです。

ーなるほど、そういうことですか。
干場さん:ポチスパ定期便ではサブスクとして3カ月に1回、専用ボックスを自動発送しているので、定期的なメンテナンスをご希望の方は、ぜひ利用してみてください!

ー最後にポチスパの今後について教えてください!
干場さん:ポチスパは、本格的な職人技を気軽に便利に全国どこからでも注文できるようにと開発しました。日々何かと忙しく、料理を楽しむ時間が取れないこともあるかもしれませんが、私たちは道具の力やサービスの仕組みで皆さんの食卓を守りたいと思っています。

サステナブルな暮らしの力強い味方となる『ポチスパ』。皆さんもぜひ、利用してみてはいかがでしょうか。

オンライン 包丁研ぎ 宅配サービス「ポチスパ」を利用してみる

(撮影/林 賢一郎)

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