産経新聞記事の名誉毀損訴訟 元宮古市議が判決不服で東京高裁に控訴

 【宮古島】全国紙・産経新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、元宮古島市議の石嶺香織さんが産経新聞社(東京)に220万円の損害賠償を求めた訴訟で、石嶺さんは16日、宮古島市内で会見し、判決の一部に不服があるとして東京高裁に控訴したと発表した。地裁は2月28日、名誉毀損(きそん)を認め、同社に記事の削除と11万円の支払いを命じていた。控訴は8日付。

 石嶺さんは地裁判決について名誉毀損を認め、記事の削除を命じた点については「ほっとした」とした上で、損害賠償額について「時効が認められた上での判決であり、納得できない」として控訴した。

 産経新聞は2017年3月22日のウェブサイトに記事を掲載した。地裁は判決で、損害賠償請求権の時効が3年であることから、石嶺さんが提訴した20年9月24日からさかのぼって17年9月23日以前に発生した損害の賠償請求権は「消滅時効が完成した」とした。

 石嶺さんは「公開された日からずっと被害は続いている。時効だから被害が消滅したというのは納得できない。読んだ人の記憶から消せないし、記事は今も削除されていない。高裁に正当な判断をお願いしたい」と強調した。

 (佐野真慈)

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